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    直弥@

    長編の下書き

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    直弥@

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    プラスαなシーン

    拾陸 国木田に呼び出された太宰は、常と変わらずに会議室へ向かった。
     それを見送る面々もまた叱られでもするのかと、やや呆れを含みつつ見送る。
    「それにしてもわざわざ会議室を抑えるなんて。なにか人前では言えないようなお話なのかな?」
     隣を歩く国木田に茶化すように告げると、神経質に眼鏡の弦を抑えて国木田は答えた。
    「そうだな」
     真面目な口調で返されて、太宰は一瞬で作っていたゆるい空気をしまう。それを横目で確認した国木田は、会議室の扉の前で一度足を止めた。
    「中で、乱歩さんがお待ちだ」
    「そうきたか」
     引きつった笑みでそう返すと、改めて笑みを作って太宰は部屋に入った。

    「花袋さんかあ。そりゃバレるはずだ」
    「バレることがわかってて何を言ってるんだ」
    「太宰。これは探偵社が手を出して良い案件じゃない。今すぐに手を引け」
    「残念ながらそれを決めるのは私ではないんです」
    「だったらなおさらだ。大事な情人は失いたくないだろう」
    「乱歩さん。勘違いしないでください」

    「大事な情人ではありません。情人にしているから、大事に扱っているだけです」

    「お前は頭が良いのに本当に馬鹿だな」
    「動くにしても社に迷惑はかからないようにします」
    「お前が動く時点で探偵社には大きなダメージだ」
    「それは」
    「済みません」
    「なに嬉しそうな顔をしてるんだ。馬鹿が」
    「ここまで来てるなら花袋さんの助力を得てもいいですよね」
    「俺の親友を巻き込むな」
    「ハッカーとしての仕事なら断らないですよね。花袋さん」
    「先払いじゃ」
    「おまけとして銀ちゃんの昔の話とか聞きます?可愛かったですよ」
    「特別割引価格で引き受けるぞ」
    「花袋!」
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