はつねとコジャケの出会いその日はフェス真っ只中。
ナワバリバトルをしていたらお腹が空いたので
腹ごしらえにフェス中しかオープンしていないお店で肉まんを購入。
パクパク頬張りながらロビーに向かっている途中にある下水路からピチャピチャと音が…
どうみても泳いでる様には見えなくて
とても焦っている。
鉄格子のおかげでかろうじで流されていない模様。
とっさに下水路の鉄格子の上に飛び移り、被っていた帽子を脱いでひっくり返してツバを持ち手にしてコジャケに差し出す。
差し出だされた帽子にしがみついて、
転がる様に中へ
コジャケを落とさない様に
帽子をゆっくり庭木の上に置き、
はつね自身も下水路を登り歩道に戻った。
起き上がる気力が無いのか、なかなか動かない。
心配でおそるおそる帽子の中を覗き込むはつね。
その瞬間…
ぴょーんっ
元気に跳ね上がってはつねに飛びついた。
両手のひらに乗ったコジャケは嬉しそうに笑っている。
それを見てホッとしたはつねは
下水路で汚れたコジャケの体と自分の帽子を綺麗に洗い、
食べかけの冷め切った肉まんを仲良く分け合って食べた。
その後、
海に帰すべくマンタマリア号まで来たものの、
なかなか海に帰らない。
仲間が待ってるぞー、と声を掛けるも
ずっとはつねを見つめている。
気が付けば日も沈んで暗くなり、
仕方なく連れて帰ることに。
洗った帽子を被り、
コジャケを肩に乗せて歩いていたが、
ぴょんぴょんと頭に登ってきて帽子の中へ。
ゴソゴソと体制を整えたあと、ツバとゲソの間からピョコっと顔を出す。
嬉しそうなコジャケをゲソに乗る重みから感じ取り、
「まぁ、いっか⭐︎」
それからはつねの帽子の中がコジャケの居場所になった。
ーendー