Who are you?【1日目】【一日目】
世界が、こんなにも晴れやかだった事が、未だかつてあっただろうか?
鼻唄を歌いたくなる気持ちを抑え、努めて普段通りに振る舞う。
初めてなのに、なんて懐かしく感じるのだろうね。
少しレトロな昇降機は、新鮮さと懐かしさを抱えた私を乗せて、上へと運んで行く。
続く廊下をスキップしそうな勢いを殺して進み、『武装探偵社』と刻印された金のプレートが掲げられたドアを開けた。
真っ先に私を出迎えてくれたのは、敦君だった。資料を抱えて自机に戻る所らしい。
「太宰さん。おはようございます。左目どうしたんですか?」
「敦君。ちょっとね」
ヒラリと片手を上げて答え、自机へと向かうと、その前に谷崎君が声を掛けて来た。
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