【4日目】【四日目】※オリジナル設定あります
感情の全てを泣く事でしか表現出来ないような泣き方で、自分が泣くなんて、夢想した事すらなかった。
ねぇ。織田作───。
君は私を、頭の良い子供だと思っていたようだけど。でも、あんな風に私が泣くとは、君にだって想像してなかっただろう?
それが出来てしまった事。
それを出来るようにしてくれた事。
国木田君という人は、そういう人なんだ。
「だからこそ、あちらの世界では『太宰 治』として会いたくなかったんだ」
固めた決心が、砂の城の如く崩れていってしまうから。
吐き出して、縋って、「助けて」と叫んでしまうかもしない。
国木田君はきっと、私一人の犠牲で成り立つ世界を許すような人ではないから。
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