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    h1k0yanag1

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    ソウベニ極道パロ②
    この世界に世襲はないらしいのですが、フィクションなのでベニは継ぐらしいです
    またしても書きたい所だけ書いたメモ程度の文

    紅丸くんと蒼影くんが友達になってから、2人は度々遊ぶようになった。学校が違うので、帰ってきてから紅丸くんのお宅にお邪魔する。外で遊ぶこともあるし、家で遊ぶこともある。紅丸くんのお家はとても大きかったので、探検するだけでも楽しかった。

    組員の人たちは蒼影くんに優しかったし、よくお菓子をくれた。最初は幹部の子供とは言え極道が蔓延る敷地内をウロチョロされるのに納得のいってない奴がいたらしいが、蒼影くんは可愛いので許された。あと若にも頭は上がらなかった。
    「蒼影は俺の初めての友達なんだ」
    そう紹介されたらもうニコニコするしかなかった。

    仲良くなるにつれて、今度は別れが惜しくなった。まだ遊ぶ!と言いながら離れようとせず、お父さんズに怒られて渋々解散する事もよくあった。
    「それなら蒼影、ウチの子になるかァ」
    と完全に冗談で組長が言った時、蒼影はめちゃくちゃ大きな声で「なる!」と叫んだ。
    勿論お父さんに怒られた。でも蒼影くんはそれがとても素敵な事に思えてしまって、それ以降ずっとその考えを拭えずにいた。
    極道の世界の事なんて何も知らない蒼影くんは、紅丸くんと一緒にいれるのならと無知のまま極道の世界に憧れた。

    中学生になって、蒼影くんはより紅丸くんの力になってやりたいとより極道に憧れるようになる。お父さんに怒られるので、こっそり極道の事を調べていた。お父さんは自分を極道なんかにしたくない、それが分かっていても、どうしても紅丸くんの側にいたかった。

    紅丸くんは要領が良く頭のいい子だったので、組の仕事を少しずつ覚えなければならなくなった。
    そこで見えてくる極道の本当の姿。血、暴力、欲、金、女、犯罪、殺し。
    幼い頃から「お前は俺の後を継ぐんだ」と言われて育ってきて、お父さんが言うならと何も考えずに「うん!」と返事をしていた。それがまさか、こんな汚れきった世界だったなんて。
    本当は嫌だった。でもお父さんは大好きだし、組の人たちも皆優しい。自分の居場所はここにしかないし、将来は自分がここを守らないといけなくなる。色んなものを天秤にかけて、紅丸くんはやはり後継ぎになる事を選んだ。
    それと同時に、蒼影くんをこんな世界に居させられないと気付いた。自分のこれから征く道に巻き込んではいけないと強く思うようになった。
    そして高校生になり、2人は本格的に衝突する。

    「俺、お前の側でお前を支えたい」
    いつもの縁側でお菓子を食べながら話していると、蒼影がそう切り出した。遂に来たか、と紅丸は思った。蒼影が組に入りたがっているのは知っていたし、それを言う機会を伺っていたのも知っていた。
    「駄目だ。お前はカタギだろ、わざわざ極道なんかになる事ない」
    紅丸が断っても、蒼影は引かなかった。暫く押し問答が続いたが、遂に紅丸の堪忍袋の尾が切れる。
    「駄目だって言ってるだろ!お前はこの世界がどんなものか、分かってないからそんな事が言えるんだ!」
    「分かってる!何年お前の側にいたと思ってるんだ、俺を何も知らない子供と一緒にするな!」
    「お前の親父は、お前を極道なんかにするつもりはないと言っていた!親の願いを、信頼を裏切るのか!?」
    「親父の事なんか知った事か!俺は俺の意思で、俺の望む道を進む!」
    お互い引かず、2人の初めての喧嘩は平行線。ついに殴り合いにまで勃発してしまう。
    極道の後取りと言うだけで因縁をつけられしょっちゅう喧嘩をしていた紅丸と、所詮はカタギの少年である蒼影とでは勝負の結果は目に見えていた。
    それでも喰らいついてくる蒼影に、紅丸は居間に飾ってある刀を手に取り抜き放つ。
    「紅…!」
    そして一閃。蒼影の頬に赤い線が出来て、遅れて血が伝う。まさか紅丸が己に刀を向けるなんて考えてもなかった蒼影は唖然として言葉が出ない。紅丸は刀の切先を蒼影の眼前に突き出す。
    「消えろ蒼影、2度と組の敷地内に踏み入るな」
    紅丸の瞳は冷たく突き放すようで、蒼影は何も言い返す事が出来なかった。戦慄く唇をきつく噛んで、そのまま走って屋敷を出て行ってしまった。
    蒼影の背中を見つめる紅丸の背後から組長が現れる。
    「いいのか」
    「…あいつを巻き込む訳にはいかない。修羅の道を歩むのは、俺だけでいい」
    組長は紅丸の肩を労るように軽く叩く。紅丸の頬には一筋の涙が流れていた。

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