捨てツン♀既視感があった。付きまとってきやがるあいつが、誰かに似ているような気がしていた。
「捨て地さん!」
振り返って笑顔で俺を呼ぶ、ツン。いつも通り、「この捨て地のエリアを案内できた」と自慢しに来たのか。
あいつが片方だけ身につけている、耳飾りが風で揺れる。
…ふと思った。なぜ、片側だけ付けているんだ?なぜ、俺の耳飾りは1つしかないんだ?
虹の耳飾りとは違う、この耳飾りは…どこで……
「捨て地さん?大丈夫ですか?」
考え込んでいたら、心配そうに覗きこまれた。
「…問題ない」
「そうですか。深刻そうな顔をしていたから、心配しました」
心配…?そういえば、こいつにはいつも心配を掛けていたな…。師匠らしいことをひとつも………
……は?こいつとそんなに長い付き合いではないだろ。なのに、なんで…?俺は…
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