結局なにが書きたかったんやわし……???「…おいコック、10秒手ぇかせ」
いきなりゾロがそんなこと言ってきた。二年前にもそんなこと言ってきたな…なんて思いながらゆっくりとゾロの目の前に手をやる。
「だ、妥当な時間だな…?」
何がしたいんだ、と問いかけるも
「つ、ついでに目も瞑れ」
と遮られて魂胆がまるで見えない
「んだよ、注文の多いマリモちゃんめ」
悪態をつきながらも大人しく言われたとおりにする。
剣だこが目立つその大きくて皮が厚いその手が俺の手を掬い、自分の胸の近くまでもっていく。何かが指を通る感覚がして、思わず目を開けたら顔が真っ赤になっている男と目が合う。その琥珀色に映るおれの顔はそれに勝る勢いで赤くなっていた。
「え、?これって……ぞろ?」
見慣れた薬指に光り輝く銀色のダブルリング。
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