日の光の下 「千鶴ちゃん?」
千鶴が目を覚ましてから暫く、怪我もまだ完治していないというのに千鶴の姿は寝室になくそれを探し回っていたところで八郎は洗濯物を干す千鶴の姿を見つける。
「八郎さん!」
名前を呼ばれてぱっと花が咲くような笑顔を浮かべた千鶴は振り向こうとするが八郎に後ろから抱きすくめられてしまいそれすら叶わなかった。
「…八郎さん?えっと、これじゃ、顔が見えませんが…」
「…いいんです、これで。僕が見られたくないので」
「…はあ」
「…どうして君はじっとしていてくれないんですか?寝室に君の姿がなくてどれほど僕が驚いたのか、怖かったのか君は知らないのでしょう」
「…心配、しました?」
「しました。とても。」
そう言って八郎の千鶴を抱きしめる力がぎゅう、と強まる。
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