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    サッカーボールが手慰み

    ##ポク男

    【ポキの考え事】ぽぉん、ぽぉん
    足を動かす

    ぽぉん、ぽぉん
    頭を回す

    考え事がある時は、何時だって近所の空き地でサッカーボールを蹴っていた
    じゃがポックルグッズに煮詰まった時、弁論大会の会場に出発する前、受験の前日、姉上が狂気山脈へ発った時

    採れたてのじゃがいものようなサッカーボールをぽんぽんとスニーカーの側面で浮かばせる

    今日は、己の信仰の形について今一度見つめ直している

    そもそもポキの信仰とは何か?
    じゃがポックル神への奉公だ

    人々と助け合い、労働を分かち合い、苦楽を共にし、人生の糧とする
    さすればじゃがポックル神はポキらをじゃがいもエデンの使徒に引き立てて下さり、立身出世と勉学のち農家へと引き立ててくださる
    案外と言うより当たり前のようにシステマティックで現代に生まれ落ちた身としては恐れ多くも非常に助かっている
    やはり持つべきものは勤勉なりし主神でありますからして

    奉公として働き、勉学に務め、祈りを捧げて常々十と何年も生きてきた

    軽くボールを蹴りあげ膝にボールを移す
    スニーカーの紐がひらひらと舞う

    幼き頃よりじゃがポックルとじゃがいものことを考え今に至り、日夜世界にじゃがポックル神の威光を轟かせんと進んでいるがどうしてたって財布事情は立ちはだかるものである

    バイトを増やせば活動が減り、活動をすればバイトの時間は減る
    ポキの頭を常々悩ませているこの問題は今まで、解決した事例を見せない
    現世で活動するにあたって必ず必要なのは理解しているがしかし、じゃがポックルは紙幣と取引されて手に入るものなのである

    神の生まれし地は工場であるからして機械的であるのは当たり前だが、だからこそ大地の瑞々しさこそを求める神の在り方にポキは感涙し頭を丸めたのである(異物混入防止)

    マァこの問題には懸念点があり、金を必要とするのは信徒としていいのか?と言うことである
    確かにじゃがポックルの為にも生きる為にも金は必要だ
    必要なものを欲することは罪では無い
    何故なら農具が壊れていたら畑の開墾は腰に負担がかかるからだ
    なればこそ生きる糧として求めるのは信仰のための行いだ
    その行いを必要以上にしても金というものは生きるのに必要であるからして貯金し今後のじゃがポックルに関する事柄に捧げることも良しとされている

    だが今回の場合はその逆、金が無いのである
    金が無いことを嘆いて行動に起こすそれ自体は良い行いだ。が、その為に信仰への時間を減らすのは本意では無い

    じゃがいもの調理にだって材料費はかかるし、当然時間も取られる
    神だって調理には一日を費やしたのだ
    人であるポキが身なので更に時間がかかることは当たり前である
    一日が48時間なりし72時間になれば全て解決なのだが世界の定理じょうりは24時間と数学的に決められているので

    頭でリズムを摂るようにボールを跳ねさせ、目線を上に固定する


    やはり、転職か掛け持ちか
    しかしながら学問の徒たる本分としては学問に割く時間が減るのも避けるべき問題である

    「バイト、変えようかねェ……」

    呟きながら頭のボールを足に戻して身体を一回転、そのままボールを地面に着地させる

    「さて、そこで見学してる子じゃが達は何をお望みで?」

    先程から影で様子を伺うように覗き込んでいた近所の子供たちが群がりわちゃわちゃと囲まれ次から次へと矢継ぎ早に言葉をかけられる

    「あそべーっ!」
    「じゃがポックルは、じゃがポックル!」
    「ポキ今日なにしてたのー?」
    「じゃがポックルサッカー教えて!」
    「つぎのテストわからーん」

    「ええい一斉に喋らないで一人づつ喋りなさいよ、ポキの耳は1個しかないのですぞ。サッカーと勉強なら教えますから一旦離れなさいよキミたちィ」

    足元に来た塊がピチピチと揚げたじゃがいものように跳ね回るのを見て口元を緩ませながら息を着き、ボールに体重をかけないように体を前のめりにする

    「さて、取り敢えずじゃがポックルを食みますかな?」
    差し出された答えは幼い手の群れであった
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