ジンピン同棲ifゆっくりと、重たい瞼を開く。睡眠から覚醒したピンガの視界に真っ先に入り込んだのはシーツに舞い散るジンの銀糸。規則的な寝息と共に上下する肩を眺めながら無意識のままに手を伸ばす。銀糸を軽く触れるように掬い上げると、それらは容易く指から滑り落ちていく。就寝中だろうと絡まりのない長髪はピンガの手入れの甲斐あっての物だった。己を称えるように髪を撫でつけていると徐々に思考は晴れ渡り、満足気な様子でピンガは寝室を後にした。
ゆとりのあるグレーのスウェットのまま洗面台に向かうと緩く髪を一纏めにし、顔を洗うと1日のスイッチが入る。リビングの扉を開けば、部屋は冷たさに包まれていた。日光を望みカーテンを開けば外には雪が舞い散っている。その様はピンガについ先程まで見ていたシルバーを想起させた。ふわふわと空から落ちてくる雪は、時間の流れも緩やかにする。呆けるようにしばらくその光景を眺めていると思い出したように寒気が襲い掛かった。その内目覚めてくる恋人の為にも暖房を入れると同時にキッチンへと向かった。
1593