らぶぽぉしょん(れいまり)「今日こそは……今日こそは……」
ぶつぶつと独り言のようにそう呟いて左手に持っていた薬品を右手に持っていたフラスコの中へと数滴入れた。
たった数滴でフラスコの中の液体が怪しい色の液体へと姿を変える。
途端に鼻の奥を突かれたと錯覚する程の強烈な匂いに頭がくらっとした。
軽く目眩を起こす。何とか踏みとどまった。
「出来た……やっと出来た……」
下品な笑みを浮かべながら私はフラスコの中の液体を見つめる。
匂いはだいぶ落ち着いたが、まともに嗅ぐと立っていられなくなりそうだ。
まぁ、飲まなきゃ効果はないからこれはただの副反応みたいなものだが。
あちらこちらに散らばった失敗作とそれを記した紙。
それを纏めて近くの戸棚に押し込んだ。
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