未定自身の不運について思うところは多くある。そのような星の下に生まれたのだと、今では諦めの域だ。祝われたいと思っていた訳ではないが、それでもやはり誕生日を高熱で迎えるのはなんともいえないやるせなさがある。なんの予定があったわけでもなく、先程アムロに「貴方誕生日についてないな」と言われて思い出した程度の誕生日であってもだ。
熱がこもる布団の中でシャアはそんな事をぼんやりと考える。壁に背を向け、窓の方に目をやると綺麗に晴れた空の青が薄手のカーテンから透けて見えた。出かけるにはぴったりの日だったのに、とありもしなかった予定のことを残念に思った。
色々と考えたものの、今出来ることは休養をとることだと思い直し、改めて深呼吸をして脱力をした。
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