ファーストコンタクト(あ、)
やってしまった
机の上に忘れてしまったであろうノートを思い出しながら鞄を探る。図書だよりとか要らないプリントの裏紙があれば取り敢えずこの授業は乗り越えられるんだけどなぁ。
いくら鞄を引っくり返してファイルの中身を確認しても図書だよりどころか裏が白紙の紙が一枚もない。仕方ないと周りを見る。窓側で一番後の私が頼れるのは前の席と隣の席との二択だ。
…ところがどっこい、前の女子は爆睡…あ、涎たれてる。
つまり、選択肢は一つしかない。
(話したことないのに紙寄越せとか…)
ぐだぐだ要らんことを考えた後、覚悟を決めて私は隣の席に呼びかけた。
「あの…鉢屋くん」
「…なに?」
ウワッこっちを見ない!!辛い!!!
でもめげるな、私!
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