のちに「伝説」とされる 23時30分、そろそろ入眠準備でもしようかという頃合いに、某アプリの通知音が鳴った。このSNSで通知をオンにしているアカウントなんて一つしかない。私は歯ブラシを口に咥えたまま、洗面台の前でそのポップアップをタッチする。亜音速ばりの反応速度だった。
「よぉ、思ったよか人いんだな。お前ら寝ねぇの?」
まさかもまさかであった。我が推しチームの推し選手、14番シューティングガード炎の男こと三井寿がインライをはじめているのだ。ミッチー、あんたこのアカウント動かす気あったんだね……
何を隠そう、この三井寿という男は、自他ともに認めるSNS音痴でファンの間でも有名だった。各SNSに自名義のアカウントはあるものの、その稼働率といったらゼロに等しい。「スタッフからいい加減に告知くらいしろと怒られた」だのなんだの言って、おそらく送ってもらったであろう文面をそのままコピペしたツイートがバズっていた、のが最近のハイライトか。投稿文の最後に「↑ここまでをコピペしてツイートしてください」と書いてあって笑ってしまった。
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