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    世界は三リョだけ 🔥14🔥最推し

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    お待たせしました、お題箱リクエストで「夢の国でデートしてる三リョ」です。
    ※高3×高2、インハイ後の夏休み
    ※まだ付き合ってない

    リョーちゃん誕生日おめでとうございます!!!
    もう一つお題貰ってて、そちらも順次あげられたらなと思います…(遅くてごめんなさい)

    最後の方は懺悔というか叫びというか…無視してもらって大丈夫なやつです!

    #三リョ

    夢じゃないよ「よし、宮城。宣言しとくわ」

     面と向かって声高に、でも、オレだけに注ぐみたいに三井サンは言った。

    「お前はきょう、オレの恋人になりたいと言う!」
    「はぁ、きょうもいい天気ですねぇ」

     現実逃避は上手くいかなかった。





     激動のインターハイ後、より一層やる気になって練習を開始した新生湘北バスケ部。闘志みなぎる部員たちを前に、鬼キャプ運営を心に決めたオレは精一杯のハッタリをかましつつ日々を過ごす。夏休みなんてオレらにはあってないようなもの、というか、絶好の練習チャンス。
     内心あぷあぷしつつ懸命にキャプテン業に勤しむオレと、それを横からやいのやいの言いつつ助けてくれる三井サン。ありがたい助言なのは分かってるけど、なんとなくまだ素直に言うことを聞けないでいる。
     そんな部活終わり、部員が出払った部室でオレの鍵閉めを待っていた三井サンが、なんだかそわそわしながら言った。

    「なー、みやぎ、つぎの休みよぉ、ヒマか?」
    「んー?まあ何もないすね」
    「じゃあよ、オレとデートしようぜ」
    「はぁ?」
    「当てたんだよ、ペアチケット」
    「はぁ……」

     その手には、某夢の国のチケット。開園10周年だか何だかで盛り上がっているというのを小耳に挟んでいた。その場所は、いつかの沖縄でも話題になっていたけれど、ここじゃない遠い国の話をしているみたいで、同じ日本に出来たんだって感覚はそうそうなかったのを思い出す。だから、そういうテーマパークがあることは知っていたが、アンナが「行きたい」と騒ぐのを横目で見るくらいで、ぶっちゃけオレは興味もそんなになかったのだ。

    「厳密に言うと、応募してたの母親だけどな」
    「……これに、オレと行くの?」
    「だめか?」

     自分でも怪訝な顔をしているのが分かった。でもだって、なんでオレを誘う?しかもさっき、デートって言った?何を考えてんだろうかこの人……反芻に時間がかかっていると、返事を渋っていると思われたのか、三井サンその勇ましい眉毛がみるみる下がっていくのが見えた。
     だからサァ、その顔すんのやめてくんない?怒られた犬がしっぽへなへなにしてるみたいな、可哀想にくんくん鳴いてるみたいな、そんな顔。オレあんたにその顔されると何でも許しちゃうんだって。それはだって、しょうがないじゃん。なんでって言われても、なんでもだよ。

    「……まあ、イイっすよ。夏休みの後もがんばってくれるなら」
    「たりめーだろ、気合い入れる前にだな、こういうのはやっとくべきだぜ。緩急は必要だろ」

     イエスの返事を聞くやいなやペラペラと喋りだすところも、おもしれー人だなと思った。そんなに楽しみなの、これ。三井サンが嬉しそうなのがオレも嬉しかったから、まあいいか。二人で出掛けるなんて、いつもは駅前とかコートとか身近なところばっかりで、テーマパークなんて行ったこともない。ちょっと浮足立つのは、仕方ないよな。

     とまあ、こういうやり取りがあり。部活休みの午前中、夏休みも真っ只中の舞浜へと降り立ったのであった。何が悲しくて男二人でテーマパークに来なきゃならんのだ、とは思っても言わないのが優しさである。

    「宮城、ここでは耳をつけなきゃなんねぇらしい」
    「へぇ、このやつ?」

     パークの入り口付近、三井サンはスタスタとショップに入っていってしまう。さっそく土産買うのかよ、計画性ねぇなと思いながら着いていくと、あたり一面に耳付きのカチューシャのお出ましだ。みんな、思い思いにそれを選んでつけて、楽しそうにしている。へー、これつけるんだ。まあ夢の国?だしな。オレらもつけんの?

    「お前その、そう、それ」
    「えっ……なに、りす?」
    「いいな、似合う。オレ何にすっかな」
    「あんたミッ◯ーさんって感じしねぇわ、あんたこれだよ」
    「……いぬ?」
    「いぬ」

     なんでオレがリスなんだよ、と思ったが、三井サンのいぬ、似合うなって思う。いぬ、つけてくれるなら、オレべつにリスつけてやってもいいかな。ふふ、三井サン、いぬ似合うね。

    「あ、そうだ」
    「ん?」

     突然閃いたみたいに、三井サンが言った。

    「よし、宮城。宣言しとくわ」
    「お、なんすか。乗り物制覇しちゃます?オレも、」

     乗りたいのあるんすよ、

    「お前はきょう、オレの恋人になりたいと言う!」
    「……はぁ、きょうもいい天気ですねぇ」

     一瞬時が止まって、何ならその辺にいた鳩の羽ばたきで目が覚めた。あちーな、おい。天気よすぎて空真っ青だわ。
     そんでもって、なーんだって、この人、公衆の面前でこういうこと言うかな。

    「え、っと、なんか……予行練習?オレ付き合わされてる?本命と行く前のやつ?」
    「ちげぇ!オレはいつだって本気だ」
    「……え、まって、オレ告白の予告された?いま」
    「……とりあえず一旦忘れろ」

     それからオレらは、時間の許す限りアトラクションに乗りまくった。
     三井サンが忘れろっていうから。

    「アレ乗ろうぜ」
    「あんた絶叫いけんの」
    「……なんとかなる!」

    「ねぇ、これ並ぶの?」
    「ひゃくにじゅ……にじかん!?」
    「計算できてえらいねぇ」

    「みやぎー!これうめぇ!食え!」
    「ねぇ〜〜〜ベタベタ!ふざっけんなマジで!」
    「ごめん」

    「あっつい、ちょっと、日陰はいろう」
    「だいじょぶか、みやぎ」
    「あんたのが大丈夫じゃないでしょその顔……」

    「この辺プールを感じるよな、オレこのニオイ好き」
    「変な人」
    「いまのナシ」

     一通り回って、日も暮れだしたころ。オレらはその辺で買ったポップコーンを貪りつつ、夕日に照らされてキラキラしているこの国のシンボルの城を眺めている。自分たちについている耳カチューシャは馴染んでしまっていて、外して帰るのを忘れそうだなと思う。
     辺りが暗くなってきたから、もうちょっとでパレードだな、これ見てから帰るのかな……なんだかんだあっという間だったなと思う。暑い暑いって言いながら、ぺと、ってくっつく素肌があんまり嫌じゃなかったり、んん、ちょっとうぉってなったけど。見上げる顔が楽しそうで、来てよかったなって思ったり。
     オレがじっと見ていたのに気付いた三井サンは、グッと息を詰めたあと、ニヤッと笑って聞いてきた。

    「なあ、オレのカレシになりてぇと思った?」
    「いや急にぶっこむじゃん……」
    「わりぃな。んで、どうよ」
    「べつに」
    「じゃあ、ちょっとは好きになった?」
    「そんなに」

     きょう一日で?そんな馬鹿な話、あるわけないじゃん。
     いつも通り、ちょっと空回ったままのあんたと、バカ騒ぎできて楽しい一日だったよ。ほんとに、言っちゃ悪いけどバスケしてる時しかカッコよくないねぇ、三井サンって。いや声には出さないけど。
     好きにさせてみせるとか、振り向かせてやるとか、そういうカッコいいことを言ってくれるでもなし。まあ、そんなこと言われたところでトキメキなんかしてやらないのだが。そらそうだ、オレは恋する乙女ではないので。

     恋する乙女、ではないけれど。初恋をキレイにしまっておくタイプの純情オトコノコ、ではある。あるからして、オレは、あーあ、やっぱり好きだなぁと思ってしまったのである。
     別に、きょう一日であんたのこと好きになったわけじゃあない。きょうだけで付き合いてぇとか思ったわけじゃあない。先に言った方が勝ちとかないからな、分かってんのかよ。
     だってサァ、オレの方が、あんたより、ずっと前から。

    「んー、予言失敗かぁ」
    「終わりっすか、デート」
    「あー……じゃあ、パレード見たら帰ろうぜ」

     あからさまに、しゅん、とするものだから。ほんとにオレのこと好きなのかも、とか、思っちゃって。

    「ねぇ、それ、すきになったって言ったらどうなるの」

     だって、本当に楽しかったのだ。デートが楽しかったから好きになったのとは違うけど、被り物を選び合うのも、長い待ち時間を過ごすのも、暑いって言いながら傍を離れないのも、あんたとできると思ってなかったから。オレだってあんたとデートしてみたかったんだ。誘ってくれて嬉しかった。
     だけど、やっぱりどうしても素直になんかなれなくて、嬉しかったってストレートには言えない。ほんとはこう思ってるって、言いたいのに。オレはどうしたらいいの。あんたはどうしてくれるの。
     予言とか言ってねぇで、ちゃんと言ってよ。なんて、オレは自分のことを棚に上げて思うのだ。

    「言ってくれんの?」
    「仮定の話」
    「パレード終わったあとベンチで付き合ってくださいって言う」
    「……まじか」
    「おう」

    「……じゃあ」

     それに、ハイって返事して、つまりそれは、オレが恋人になりたいって、意味で、言ったら。直接なんてとてもじゃないけど言えなくて、それでも同じ気持ちだよって意味で、うんって言ったなら。

    「どうなる、の」
    「……あのビカビカの城の前でめちゃめちゃにキスする」
    「……それはちょっと、ご勘弁いただいていいスか」





    「おそろいのキーホルダー買う」
    「ん、ふふ……うん、買おう」
    「いっしょにつける」
    「うん、つけるよ」
    「すき、みやぎ」
    「……うん、オレも」

     オレも、すきだよ。ずっと好きだったよ。

     オレの人生で初めてされた告白は、小っ恥ずかしい場所と雰囲気の中で初恋の人に、なんて王道少女漫画もかくやあらん、というシチュエーションだったわけだ。耳つけっぱで、浮かれポンチかよ。

    「みやぎ、付き合って」
    「うん、……イーヨ」
    「わはは!やべぇまじか、うれしー」
    「へへ」

     そうこうして、オレはまんまと三井サンの策にハマり(ハマってやったのであるが)今日中に恋人同士になってしまったのであった。

    「やっぱな、オレの言う通りだっただろ」
    「すぐ調子乗る」
    「だってよ、オレお前のこと好きだなって思ってから、こうしちゃいられねぇって、色々かんがえたんだぜ。オレたぶんよ、お前がパスくれたときからずっと好きだったんだ、お前のこと。すきになった、あのとき、きっと」
    「へぇ」

     オレの初恋、どんだけ年季が入ってると思ってんだ、とは、言わないでおいてやった。オレは優しいから。
     こちとら4年は寝かせてんだぞ、と。あんたのせいで手放そうとしたのを、あんたのせいで箱を開けちゃう羽目になったんだからな、と。そうマウントをとってやったってよかったのだが、それをやらなかったのは、やっぱり。

    「惚れた弱みって、あるんすねぇ」
    「なんだよ、いいだろ別に。オレが買ってやりたかったんだよ」

     オレの分もまとめて会計した三井サン、カレシっぽいことしたかったんだね。いまその話してないよ、あ、買ってくれたのはありがと。ていうか、そこに反応するってことはあんた思ったよりオレに惚れてんね?ふーん、そう。ま、オレには勝てないけどね。

     そうやって、的外れなことばかり言うこの人を、オレはずーっと好きなまんまらしいのだ。あの夏の日に好きになってから、去年の冬の日に嫌いになったって、結局いまだに好きなんだから、もうどうしようもないのである。

    「なー、つぎ来るときは耳お揃いがいい」
    「バカップルか」
    「バカップルしてぇの!」
    「はいはい」

     帰りの電車内、夢の国から乗り込んだ人たちは、いまだ夢の途中だ。例に漏れず三井サンも、やっぱりなんだかふわふわしている。耳は外した、三井サンは残念そうにしている。いいじゃん、また来るんだから。

    「あー!なんかバスケしてぇ気分!夏だし!」
    「夏関係ねぇじゃん」
    「なー、あした午後練前にやんねぇ?ふたりで」
    「いいスよ、早く着けばいい?……あんたちゃんと勉強してんの?」
    「し、ているとはいえない」
    「夏休みの宿題、いっしょにやる?3年は出てねぇのか」
    「やる!!オレだけ課題めちゃくちゃ出されてる!!」
    「威張んな」

     オレたちの最初で最後の夏は、始まったばかりである。

    (fin…?)















     解像度が…低い…!10周年どころか20周年くらいまで物心つかないのでかなり無理があった、オレは、弱い…!ぜんぶ妄想で申し訳ない…!監修入ってもらうべきだったか…カチューシャは開園当時からあったという情報だけでつけさせたけど…リスはともかくいぬはあるんか??参考にできるものが1991のランド地図しかなかった。しかもこの時代、シーが、ない。シーの方が辛うじて記憶がある(アリエルのビシャビシャになるとこだいすき)のに…
     夏の終わりに付き合うのもめちゃエモくていいんですが、どうせなら付き合ってから一度きりの夏満喫しまくってくんねえかなと思って今回は軽率に付き合ってもらいました。いちばんすきなのはずーーーーーっと好き同士だったのに両片思いのまま離れて大人になってから酒の勢いでやっちゃってめちゃこじれるやつ。そのあと絶対ついにリョー想い。いつか書きます。
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    Replies from the creator

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    DONE大変お待たせいたしました、お題箱リクエスト「(付き合ってない)プロ軸三リョ」でインライさせております。
    まぁた一か月かかってしまって、俺は、ほんまに…という気持ちでいっぱいですが、楽しんでいただけたら幸いです。

    ※モブ視点
    ※ギリギリ付き合ってない(いや多分もう付き合ってるっていった方が健全な気がしないでもないけど、これで付き合ってない方が何というか旨味が増すので付き合ってない)三リョ
    のちに「伝説」とされる 23時30分、そろそろ入眠準備でもしようかという頃合いに、某アプリの通知音が鳴った。このSNSで通知をオンにしているアカウントなんて一つしかない。私は歯ブラシを口に咥えたまま、洗面台の前でそのポップアップをタッチする。亜音速ばりの反応速度だった。

    「よぉ、思ったよか人いんだな。お前ら寝ねぇの?」

     まさかもまさかであった。我が推しチームの推し選手、14番シューティングガード炎の男こと三井寿がインライをはじめているのだ。ミッチー、あんたこのアカウント動かす気あったんだね……
     何を隠そう、この三井寿という男は、自他ともに認めるSNS音痴でファンの間でも有名だった。各SNSに自名義のアカウントはあるものの、その稼働率といったらゼロに等しい。「スタッフからいい加減に告知くらいしろと怒られた」だのなんだの言って、おそらく送ってもらったであろう文面をそのままコピペしたツイートがバズっていた、のが最近のハイライトか。投稿文の最後に「↑ここまでをコピペしてツイートしてください」と書いてあって笑ってしまった。
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    DONEお待たせしました、お題箱リクエストで「フルーツを食べる三リョ」です。

    三井サン誕生日おめでとうございます!!!
    ということで、あと何本か追加しますので気長にお待ちください♡

    一本目:普通にケーキ食っててごめんなさい。
    二本目:ジョジョネタ入れてごめんなさい。メロンだからハイエロファントにしようとして(未遂)すみません。
    三本目:無理やり終わらせてごめんなさい。最後だけカオルさん視点。
    フルーツを食べる三リョ(三本)〈半分より、上等な〉
    【苺・大人、同棲】

     最上の愛とは例えるならば、てっぺんに輝く赤いそれ、なのではなかろうか。

    「あげる」

     とくべつだかんね、と、行儀悪くフォークに突き刺したままのそれをスンとした顔で差し出してくるのは、こいつの照れ隠しの一種。傍から見たら、不機嫌なのかな、とか、いやいや寄越されても、とか思われるだろうその顔を、オレが愛おしく思うようになって何年経っただろう。この顔が照れている顔だと気付いた日から数えたら、もう両手でも足りない年月だ。
     それだけの日々を宮城と過ごし、今年もまた一つ歳をとった。宮城の隣で。

    「三井サン、今年のケーキは何にしますか」

     日頃、オレのことを名前で呼ぶことを覚えたこいつが、誕生日のときだけは「三井サン」と呼ぶ。あの頃と同じだけの質量でもってしてオレを呼び敬語を使う。
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    DONE大変お待たせしました、お題箱リクエストで「珍しく弱ったリョをデロデロに甘やかす甘々三リョ」でございます。
    ひと月も経ってしまいました、申し訳ないです…

    いつも通りだらだらと長いポエムになってます(すけべに至らずリベンジしたい気持ちはある)設定をきちんと決めてないので雰囲気でふわっと…

    こんな感じでスローペースにはなりますが、お題箱にネタなど投げていただければ喜んで書きます〜〜〜🫶
    いつの日か、あなたに還るまで「ねぇねぇ、次みっちゃん来るの、いつ?」

     夕飯後の食卓で、留学前の必要書類に目を通していた。母ちゃんがいる内に、サインだの何だの貰わなければならないから。やることはいつも山積みで、いくら時間があっても足りない。でも、焦ってることを素直に吐露するには、まだ心がおぼつかないでいる。
     心が急いているのが分かる。煩わしいことに、こんな風にどうしようもなくなったときでさえ、ふと、あの人の顔が浮かぶようになってしまっていた。
     そんな矢先、アンナに話しかけられて、咄嗟に出た言葉は思うような優しいものではなかった。

    「あ?なんでお前が三井サンのこと気にするわけ」
    「はー?別にぃ??最近来ないなって思っただけじゃん。リョーちゃん、感じ悪ぅ」
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