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    世界は三リョだけ 🔥14🔥最推し

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    お待たせしました、お題箱リクエスト2本目「夏祭りでデートしてる三リョ」です。
    ※リョ帰国後大人軸(SFすこしふしぎ)

    リョーちゃん誕生日おめでとうございます!!!(2回目)

    #三リョ

    薫風自南来「ソーちゃんとねぇ、来たっきりだよ」
    「そうか」

    「ミツイサン」

    一緒に来てくれてありがとう。



     夏の暑さが長引くようになって久しい。宮城は「こんなに暑いとソーちゃん帰ってくる気なくなっちゃうじゃん」と笑うのだ。
     そんな茹だるような暑さの中、こいつら兄弟は生まれてきた。根っからの夏男ってわけだ。

    「三井サンの方が夏っぽいよ、暑苦しいし」
    「んだとぉ?じゃあおめぇは、すーぐじめじめすっから、梅雨男か」
    「うっせ」

     なんて、揶揄うけど。こいつが誰より熱い男なのは、オレがいちばん知っている。

     「あの夏の話、は、オレが大丈夫になったらするよ」
     いつかの日、宮城にそう言われた。だからオレは、宮城が大丈夫になるまでずっと待ってた。なんだかんだで大人になって、宮城はアメリカに行って帰ってきて、オレの隣にいる。
     結局、オレはいまの時点でどこまで宮城のことを知っているのかわからん。沖縄生まれで、兄貴がいたことは知っている。宮城の言う、その夏に海から還ってこないことも。
     でもそれだけ。宮城はいつ大丈夫になるのか。いや、ならなくてもいいのだ。大丈夫でも大丈夫じゃなくても、あいつの側にいるのはオレだから。



     祭りにでも行くか、突拍子もなくオレが何かを言い出すことなんて日常茶飯事で、宮城も「ああ、いいすよ」なんて気の抜けた返事をしてきた。それだのに、こっちに来てから祭りに行ったことがない、なんて言うもんだから。

    「おめぇほんとに友達いねぇんだな……安田とか誘ってくれなかったのかよ」
    「まーじでうっせぇな。ちげぇよ、あえて行かなかったの!向こうの祭りと、毛色が違うもんでサァ」
    「あ?」
    「向こうで、ソーちゃんと行ったきり。エイサーもないし、なんかそんな気にならんかった。誕生日、だし」
    「あ~……」

     オレは、失敗した、と思った。それは、うかつに宮城の柔いところを引っ掻き回しちまったなっていう反省が3割程度、あとはしみったれた雰囲気を醸す宮城を見るとムズムズするのがほとんど。
     「らしくねー」と、思ってしまうからだ。いつまでもビービー泣いてんじゃねぇぜ、って、思うし実際に言う。オレは毎回ソーちゃんに嫉妬して、何回も喧嘩してる。宮城の大事なもんだってわかってるけど、それはそれ、これはこれだ。
     そういう繊細な部分があることを知っている。そういうところもひっくるめて好きだと思ってもなお、やっぱりこいつは夏みてぇな男であれと思うから。バカみたいに笑ってる方がいい。

    「ふーん、じゃあ今度あっち行くときはオレも連れてけよ、祭り」
    「祭りの時期にあっち帰るの嫌だよ、しかもあんたとでしょ?」
    「いいから。約束な」

     恥ずかしそうに、でも嬉しそうに笑ったから、まあいいかと思った。

     とっぷりと日が暮れて、提灯の灯りが辺りを照らしている。この辺の盆祭りは慣れ親しんだ雰囲気がある。絶え間なく祭囃子の鳴る出店の通りをゆったりと歩きながら、カップのぬるいビールを啜った。オレらも大人になったな。
     このまま適当に食いもん買って、海に下りて花火を見よう。そう決めて、暗がりで小指だけ繋いで、宮城と話すのはソーちゃんのこと。

    「お前の話聞いてる限りだと、祭りでも無双してそうだな。ソーちゃんはよ」
    「へへ、みんなで踊るんだよ。……ソーちゃん、カッコよかった」
    「だろうな」

     やっぱりどうしたってソーちゃんに敵わん、そういう問題じゃないのはわかっているが、妬けてくる。風を纏ったソーちゃんが、いつだって宮城の周りにいることを知っている。
     オレがむすっとしたのを感じ取った宮城が「んふ、」と声を漏らすのを聞いた。オレが不機嫌になるのを、宮城は楽しんでいる節がある。

    「オレのほっぺを撫でる手の感触も、オレを抱きしめた時の鎖骨の匂いも、もう朧気だけど」

     それでいいんだって思う。きっとこの砂浜にだってソーちゃんはいるんだよ。歌うみたいに宮城が言った。

     オレにやきもち焼かせようとしてんだってのはわかった、でも、それだけじゃあないのを察知した。
     この宮城は、羽化した宮城だ。オレは咄嗟にそう思って、それはとても喜ばしいことであるはずなのに何故だか少し寂しいと思った。

     寂しい?
     ああ、わざわざ出向かなくたって、そっちからお出ましってか。
     いま、オレの中にほんのちょっぴりだけこいつの兄貴がいる。

    「風にも、海にも、砂浜にも。オレを見ててって、思うよ」
    「……きっと、いるぜ。たぶん、光る」
    「ん、ふふっ……あはは、光るの?ソーちゃん?」
    「だってよ、」

     いま、光ってんぜ。





    「ソーちゃん見てるかなぁ、この花火も」
    「見てる、なんなら特等席で」
    「たしかに!」

     空にいた方が花火は綺麗だよね、と、苺のかき氷を食べながら呑気に笑っている。
     ちげぇんだよなぁ、特等席っつーんは、

    「オレはここがいちばんだと思うけどな」
    「恥ずかしいこと言ってんじゃねーよ」

     オレも~って、言ってんのは内緒にしても罰当たんねぇだろ。

    「なぁ、宮城」
    「なにぃ~?」
    「誕生日、おめでとうな。ソータさんも」
    「あはは!ソータさんだって!ふふ、ありがと」
    「そう呼べっていうんだもんよ、あと、おめでとうって」
    「へぇ?ソーちゃんだと馴れ馴れしいって?」
    「そう」
    「ぶはは、ほんとおもれ~ひと、三井サン」

     泡のなくなったビールを飲み干して、おっさんみたいに笑うのも、心底愛おしいと思うよ。
     オレだけじゃなくてな?そう、お義兄様もそうおっしゃっております。

    「リョータぁ、おめでとうなぁ」
    「あんたもな」
    「うっせーどぉ、ミツイサンのくせに」
    「はは」

     こうして、たまにオレの中で宮城をニコニコしながら眺める義兄は、穏やかな風と共に南の島からやってくるのだ。
     宮城には、もう少し秘密にしておいてやろうと思う。

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    Replies from the creator

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    DONE大変お待たせいたしました、お題箱リクエスト「(付き合ってない)プロ軸三リョ」でインライさせております。
    まぁた一か月かかってしまって、俺は、ほんまに…という気持ちでいっぱいですが、楽しんでいただけたら幸いです。

    ※モブ視点
    ※ギリギリ付き合ってない(いや多分もう付き合ってるっていった方が健全な気がしないでもないけど、これで付き合ってない方が何というか旨味が増すので付き合ってない)三リョ
    のちに「伝説」とされる 23時30分、そろそろ入眠準備でもしようかという頃合いに、某アプリの通知音が鳴った。このSNSで通知をオンにしているアカウントなんて一つしかない。私は歯ブラシを口に咥えたまま、洗面台の前でそのポップアップをタッチする。亜音速ばりの反応速度だった。

    「よぉ、思ったよか人いんだな。お前ら寝ねぇの?」

     まさかもまさかであった。我が推しチームの推し選手、14番シューティングガード炎の男こと三井寿がインライをはじめているのだ。ミッチー、あんたこのアカウント動かす気あったんだね……
     何を隠そう、この三井寿という男は、自他ともに認めるSNS音痴でファンの間でも有名だった。各SNSに自名義のアカウントはあるものの、その稼働率といったらゼロに等しい。「スタッフからいい加減に告知くらいしろと怒られた」だのなんだの言って、おそらく送ってもらったであろう文面をそのままコピペしたツイートがバズっていた、のが最近のハイライトか。投稿文の最後に「↑ここまでをコピペしてツイートしてください」と書いてあって笑ってしまった。
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    DONEお待たせしました、お題箱リクエストで「フルーツを食べる三リョ」です。

    三井サン誕生日おめでとうございます!!!
    ということで、あと何本か追加しますので気長にお待ちください♡

    一本目:普通にケーキ食っててごめんなさい。
    二本目:ジョジョネタ入れてごめんなさい。メロンだからハイエロファントにしようとして(未遂)すみません。
    三本目:無理やり終わらせてごめんなさい。最後だけカオルさん視点。
    フルーツを食べる三リョ(三本)〈半分より、上等な〉
    【苺・大人、同棲】

     最上の愛とは例えるならば、てっぺんに輝く赤いそれ、なのではなかろうか。

    「あげる」

     とくべつだかんね、と、行儀悪くフォークに突き刺したままのそれをスンとした顔で差し出してくるのは、こいつの照れ隠しの一種。傍から見たら、不機嫌なのかな、とか、いやいや寄越されても、とか思われるだろうその顔を、オレが愛おしく思うようになって何年経っただろう。この顔が照れている顔だと気付いた日から数えたら、もう両手でも足りない年月だ。
     それだけの日々を宮城と過ごし、今年もまた一つ歳をとった。宮城の隣で。

    「三井サン、今年のケーキは何にしますか」

     日頃、オレのことを名前で呼ぶことを覚えたこいつが、誕生日のときだけは「三井サン」と呼ぶ。あの頃と同じだけの質量でもってしてオレを呼び敬語を使う。
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    DONE大変お待たせしました、お題箱リクエストで「珍しく弱ったリョをデロデロに甘やかす甘々三リョ」でございます。
    ひと月も経ってしまいました、申し訳ないです…

    いつも通りだらだらと長いポエムになってます(すけべに至らずリベンジしたい気持ちはある)設定をきちんと決めてないので雰囲気でふわっと…

    こんな感じでスローペースにはなりますが、お題箱にネタなど投げていただければ喜んで書きます〜〜〜🫶
    いつの日か、あなたに還るまで「ねぇねぇ、次みっちゃん来るの、いつ?」

     夕飯後の食卓で、留学前の必要書類に目を通していた。母ちゃんがいる内に、サインだの何だの貰わなければならないから。やることはいつも山積みで、いくら時間があっても足りない。でも、焦ってることを素直に吐露するには、まだ心がおぼつかないでいる。
     心が急いているのが分かる。煩わしいことに、こんな風にどうしようもなくなったときでさえ、ふと、あの人の顔が浮かぶようになってしまっていた。
     そんな矢先、アンナに話しかけられて、咄嗟に出た言葉は思うような優しいものではなかった。

    「あ?なんでお前が三井サンのこと気にするわけ」
    「はー?別にぃ??最近来ないなって思っただけじゃん。リョーちゃん、感じ悪ぅ」
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