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    蛹🐛

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    蛹🐛

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    ダンホン風味
    アンプルに憧れちゃった精神力-25ぐらいのホンルと、慰めるダンテくん

    スクショ撮ろうとしたけど長くなったからやめた
    読み返してないので雑
    完成させるかは未定
    勢いでやった

    目が眩みそうな緑色だ。不思議な液体であると感じたのはその次で、ホンルはあんなもの厄介で嫌だと眉を寄せた。

    便利だとしてもアレを使いたいか。己に問いかけて天を仰ぐ。直接注入するなんて、まず痛そうだ。注射を打つとは比べ物になりそうにない。ぶるぶると顔を振るう。
    だけど――それで彼のさが背負う痛みを軽減できるのであれば。好奇心が沸き立つ。可能なら手を出してみたい。真逆の存在である崩壊アンプルは嫌だけれど。こくりと俯いて憂鬱を浮かべてしまう。
    〈ホンル?〉
    どうかしたかい、と傍らのダンテが問いかける。
    〈眠い?〉
    時刻は既に夜更け。眠れずにホンルはダンテの傍に居て、考え事に耽っていた。眠いかどうか聞かれたら、まだ睡魔は迫ってきていない。睫毛を伏せてホンルは「ん~」と唸る。疲れているので休みたい。だけど、眠れない。バクバクとうるさい心臓と、落ち着かない精神を宥めなければ、部屋に戻れない。
    「……あ。そうだ、ダンテさん」
    〈なんだい〉
    「K社のアンプルって、N社の人格を被ったムルソーさんにも……ありましたよね?」
    〈あっうん〉
    ガチガチと動揺が鳴る。何かあるのかと首をかしげホンルは微笑んだ。
    「……同じなんでしょうか」
    〈さぁ……〉
    「あはは、どうかしちゃいましたか? 僕はただ……あの再生アンプルがあれば、ダンテさんを苦しめずに済むかなって思っただけですよ」
    音が止まる。時間すらも制止した気がして、不安感が芽生えてゆく。
    静寂が侵食する。ホンルの吐息だけが現実に色をつけていた。微笑む彼の額には、じんわりと汗が浮かぶ。心が波を打つ。余計なことを言ってしまっただろうか。閉じ込めておけば良かっただろうか。ダンテは無言のままで動かない。
    「…………ダンテ、さん?」
    〈ごめん。ちょっと……〉
    キュルキュルと聞きなれない機械音が響く。二人の間に出来た溝が奏でているようで、不愉快だなとホンルは目を細めた。
    〈純粋だなって、思っちゃった〉
    「……?」
    〈ホンルは優しい子だね〉
    ダンテの顔色や表情は伺えない。伝わる言葉の温度も分からない。褒めているのか馬鹿にしているのか。少なくとも前者だろう。ホンルの頬がやんわりと桃色に染まる。
    〈私は気にしてなんかないよ。前線で戦ってくれるのは皆だから。あのアンプルなんて使わなくたって良いと思うんだ〉
    便利かもしれないけど、と付け加えて彼はおどけてみせた。両手をフラフラ振ってアピールしている。まるで何かを隠すように。
    ホンルはというと、なにも言えなかった。
    隠し事なんてどうでもいい。嬉しかったし悲しくなった。彼の言葉を反芻する。気にしてなんかない。――囚人全員の痛みを一身で受けておいて、気にしてなんかない?
    瞬きをして返事をしようと試みる。生温い吐息が漏れてゆく。ぐずぐずに崩れる心を握り潰して、言葉を紡ごうとしても液体が流れるだけ。じんわりと目頭が熱を帯びる。
    「……ぅっ…………」
    〈!?!? ホンル!?〉
    「…………なさ、い、ごめ、んっな……さ、い。変なこと、言って、しまって……」
    ありがとうと言い出せない。なんで感謝を伝えられないのだろう。ダンテの優しさに甘えている気がして嫌なのに。自分自身に呆れる程、不思議と涙が溢れてしまう。
    「そ、う……です、よね。忘れて、くださっ……ください、ね?」
    震える手の上に、ダンテの両手が被せられた。手袋に落ちる雫は小雨になり、やがて彼の服を濡らしていった。
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