どむさぶイサ"Kneel"
その"Command"に、歓喜と虚しさが同時に襲ってきて。
余計に頭が重くなってすぐさま後悔したのだ。
「左馬刻さん!これ、つけてほしい。」
「……ひと目で相手が誰か分かるなこれ。」
黒の革製【Color】はルビーとエメラルドの小さい石が装飾されていて、いつも周りに牽制しまくって無意識に"Glare"を放つ一郎らしいなと思ったのを覚えている。
何だかんだ一郎の事が可愛くて目に余る独占欲も絆されて許していた。世話したがりで構いたがりの一郎は、どろどろに甘やかす様なプレイが好きでsubとはいえ年上で勝ち気な俺はプライドと多少葛藤していた。それでも、あの愛が垂れ流されている瞳に見つめられてしまえばそんな自身の小さな問題は離散していたが。
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