同級生のが、通学路にある大きな屋敷の前を通った時「俺のこと呼んでる」って言い始めた話生まれつき耳が良いと自負してたから屋敷の前で澄ましてみたけど、何も聞こえない。
「え…何も聞こえないけど」
「…でも。ほら、今、」
すいっと屋敷の方を見て言う友達にぞわぞわして「お前それ聞いちゃいけないヤツだよ!!さっさと行こう!?」って手を引いて逃げる。舌打ちが聞こえた気がした。
「なんか、匂いが変わったな」
翌日の学校で鼻の良い友達が件の子に言う。なんだか寂しそうに。
「俺臭え?」
「いやそういうことじゃない」
「今そういうボケいいから。そんな場合じゃないから」
鼻の良い友達に事情を話したら、やっぱりちょっと寂しそうに笑った。怖くないらしい。自分は恐怖しかない。
「霊感あるのか?」
「ヤダもうそっちの話じゃん。やめてよ嫌いになるよ!?」
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