真夏の白「暑い……大瀬くん、大丈夫ですか?」
「はい、お気遣いありがとうござい、ます……」
ちゃんと大丈夫そうに言えていただろうか。ふらふら、くらくら。
「ここまで暑くなるとは……疲れたでしょう?お出かけは別の日にした方が良かったかもしれないね」
「い、いえ……理解さんのおすすめのオムライス、美味しかったです。ありがとうございます」
ニュースによればこの夏一番の暑さだとかいう太陽が、身体の水分を奪っていく。このまま溶けて死んでしまいたいけど、今死んだらあと二十分は歩く距離の家まで理解さんに死体を運ばせる羽目になってしまう。せっかくの休日を僕なんかのために使ってくれた理解さんにこれ以上迷惑をかけるわけにはいかない。死ぬなら、家に着いてから。
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