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    case669

    @case669

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    case669

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    発掘したものの何を書こうと思っていたのかすら覚えていないウリサンの書き出し

    ##ウリサン

    「なあ、ウリエンジェ」
    こちらの世界に渡ってからというもの、以前よりも感情を表に出さなくなった彼の一層冷えた平坦な声に咄嗟にこの後の予定を思い起こす。洗濯物はミンフィリアが寝る前に取り込んでくれていた筈だし、妖精達との約束事も急ぎの物はない。精々夕食に使った食器類を「後でやる」と言いながら未だに片付けていないが別に明日になってからでも良いだろう。そこまで結論をつけてから漸くサンクレッドを見る。
    「切りの良き所まで読み終えてからでもかまいませんか」
    「悪いな」
    許可を得られてようやっとほっと息を吐くような、そんな苦い笑みを浮かべて先に部屋へと戻るサンクレッドの背中を見送り思わず零れるのはため息。そんな顔をさせたいわけでは無いとも思うし、すっかり父親の顔をしている彼が自分の前でだけ見せる弱みに優越感を擽られているのも否定は出来ない。彼の為を思うならば早急に正しい道へと導いてやれば良い物を、彼が頑ななのを良い事にずるずると此処まで来てしまっている。
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    case669

    MEMO脱、兄レオしようと何かが足掻いてるメモらしい「あの人を止めない私の事、恨んでいるかしら」
    「それを言うならば俺の方だろう。憎く無いのか」
    「私はね、レオナ。貴方をどうやったらあの人の傍に生かさず殺さず留めて置けるか考えているような女よ」
    「は、何の為に」
    「あの人と、国の為に。ひいては私とチェカを守る為に。それ以外の理由があるかしら」
    「さすがはアイツを尻に敷いてる方だ。我が国は安泰だな」
    「貴方があの人の傍にいてくれるうちはね」
    「……」
    「……」
    「貴女は、あれの、何処に惚れて結婚したんだ」
    「……私、可愛い男の人が好きなの」
    「あれが……?」
    「男の人にはわからないかしら。素直で、一途で、いつも笑っていて。可愛いでしょう」
    「間抜けで思い込みが激しくて能天気なだけだろう」
    「そこが可愛いのよ」
    「はあ……」
    「貴方も、素直で、一途で、いつも笑ってはいないけれど……可愛いと思ってるわよ」
    「馬鹿にしてんのか」
    「愛しているのよ、家族として」
    「それはどうも」
    「だからね。……だから、もしも、本気で逃げ出したいと思ったのなら、私に相談して」
    「は?」
    「悪いようにはしないわ。……というよりも、私に心構えが欲しいだけね。きっと大 715