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    case669

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    case669

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    レオジャミって言うより二人でガチバトルして欲しかったけれど技術が足りないやつ

    ##レオジャミ

    「あ……先輩ごめんなさい……っ」
    振り返るジャミルの瞳孔が開き切っているのを認識すると同時に後ろへと飛び退ると、たった今レオナが立っていた場所で空気を切り裂くかまいたちが一気に破裂する。落ち着く間も無く距離を詰めるジャミルを交わしながら先ほどまで二人で対峙していた敵の姿を探せばどこかへと逃げ去った後だった。せっかくここまで追い詰めたというのに悔しいが、此処でうっかり敵の罠にハマり洗脳されているジャミルと共に襲い掛かられてはレオナとて対処しきれない。
    「っっぶねぇ!!!」
    よそ見した事を咎めるようにレオナの目前すれすれをジャミルの拳が横凪ぎに払われる。ただの拳だけであれば、ジャミルの動きは素早い物の軽いので受け止めれば良い。だが恐らく、長めの袖口には毒入りの刃が仕込まれている筈だ。掠るだけで容易くレオナの自由を奪うだろう。
    自分のパワー不足を熟知したジャミルは素早い動きで敵を翻弄しながら幾度も浅い傷から毒を塗り込み行動不能にするスタイルを取る。力で傷つける事を目的としない為に踏み込みも浅く、力を溜める動作も殆ど見られず、まるで踊るようにレオナを追い詰めて行く。逆にレオナが何か行動をしようと踏み込めば容易く懐に潜り込んで来るだろうと思えば強引に動きを止めにかかるにもそれなりの隙を伺わなければならない。
    「っんと敵に回すと面倒臭ぇなあテメェは!」
    踊りの振りの一つのようにレオナの首へと伸ばされた腕をなんとか掴むも、それを待っていたかのように捕まれた腕を視点にぐんとレオナの懐に潜り込んだジャミルに、思わず反射的に風の魔法をぶつけて押し退ける。いとも簡単に宙を舞った身体はしかし、器用に空中で風を操り体勢を立て直すとふわりと地面に着地した。ひたりとレオナを射る眼が虚ろに見開かれているおぞましさに思わず顔を顰めつつ舌打ちを一つ。
    「テメェ正気に返ったら覚えてろよ……!」
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    case669

    MEMO脱、兄レオしようと何かが足掻いてるメモらしい「あの人を止めない私の事、恨んでいるかしら」
    「それを言うならば俺の方だろう。憎く無いのか」
    「私はね、レオナ。貴方をどうやったらあの人の傍に生かさず殺さず留めて置けるか考えているような女よ」
    「は、何の為に」
    「あの人と、国の為に。ひいては私とチェカを守る為に。それ以外の理由があるかしら」
    「さすがはアイツを尻に敷いてる方だ。我が国は安泰だな」
    「貴方があの人の傍にいてくれるうちはね」
    「……」
    「……」
    「貴女は、あれの、何処に惚れて結婚したんだ」
    「……私、可愛い男の人が好きなの」
    「あれが……?」
    「男の人にはわからないかしら。素直で、一途で、いつも笑っていて。可愛いでしょう」
    「間抜けで思い込みが激しくて能天気なだけだろう」
    「そこが可愛いのよ」
    「はあ……」
    「貴方も、素直で、一途で、いつも笑ってはいないけれど……可愛いと思ってるわよ」
    「馬鹿にしてんのか」
    「愛しているのよ、家族として」
    「それはどうも」
    「だからね。……だから、もしも、本気で逃げ出したいと思ったのなら、私に相談して」
    「は?」
    「悪いようにはしないわ。……というよりも、私に心構えが欲しいだけね。きっと大 715