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    ao_nene

    シエジタ中心に文字書いてます
    (シエジタ以外はCP要素なし)

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    ao_nene

    DONEa little time with you/シエジタ
    朝チュン…っぽいもの
     寝返りを打つと、冷たい空気が肌を撫でた。
     ジータは意図せず、瞳を薄く開ける。
     部屋はまだ夜の様子を漂わせていたが、目に滲んできた色は闇そのものではなく。
     まだその彩度は低かったが、ほんのりと明るみを帯びていた。
     もう間もなく、夜が明けるのかもしれない。
     そう思いながらも、ジータは意識にまだこびりつく眠気に勝てず、上掛け用のシーツをを軽くひっぱり、そのままもう一度目を閉じた。

     が、その時――。

    「ん……」
     まるで彼女を引き留めるように、掠れた吐息が漏れた。
     おかげでジータは、今度ははっきりとその目を開けてしまう。
    (あ、そっか……)
     眼前にシエテの顔を確認し、そうだったとジータは思い出した。
     不思議なことに、気づくとその体温が、途端に甘味を帯びてくる。
     終わった後、二人ともそのまま眠りに落ちてしまったため、衣服をつけていない。
     肌から直接感じる熱は、しっとりと心地良い。
     その誘惑に抗えず、ジータが彼の胸の辺りに頬を摺り寄せると、シエテの腕が緩く彼女を拘束した。

    「ん~、今、何時?」
     シエテが、ひどく気の抜けた声で訊ねる。
     起こしてしまったのを少し悪く 1809

    ao_nene

    DONE約定/シエテとウーノの普段の会話ってこんな感じかなぁという妄想 ごくありふれた、一軒家のこじんまりとした宿屋だった。
     内装はそれなりの歴史を思わせるが、古びたといったところまでの印象は無く、落ち着いた雰囲気を漂わせている。
     一階が受付兼食堂、二階が寝室と云う造りもごく一般的なものだ。
     しかし、六卓ほどあるテーブルには全て清潔なクロスが掛けられており、そういった心配りが好きなシエテは、ウーノとの待ち合わせにはここをよく指定していた。
     今日も、そのウーノとの待ち合わせだった。
     いや、正確に言うと待ち合わせの日は昨日だったのだが。
     数週間前に受けた依頼を、シエテとウーノでそれぞれ手分けをして進めていた。
     最初からそれなりの時間を有することは分かっていたので、予め落ち合う日時を決め、互いの進捗や情報交換をすることにした。
     その、予め決めていた日が昨日だったのだが。
     とある事情で、シエテは来れなかった。
     三日までは相手が来なくても待つ、と、これも予め決めていたので、一日遅れて今日ここに来ているシエテは、さほど咎められる必要もないと言ってもいいだろう。
     が、シエテはこれでも期日や時刻には几帳面で、今までウーノとのこの類の待ち合わせに遅れ 2574

    ao_nene

    DONE晴れた日に/シエテ、ジータ、ナルメア(シエジタ前提ですがCP要素は少なめ) 空は晴天。
     風は清風。
     上々の機嫌で、シエテは草原を往く。
    「ああ、いたいた」
     先に艇を訪ねると、ジータは暇つぶしに鍛錬に行くと言って出たと、面倒見の良いことで評判の操舵士ラカムが教えてくれた。
     彼の言った通り、艇からさほど離れていない所にいたので、すぐに見つけることができた。
     人影が二つ見えたが、それもラカムの情報通りだ。

    「団長ちゃーん!」
     はっきりとその姿を視認できる距離まで近づいて、シエテはいつものように彼女を呼ぶ。
     その声に反応して、ジータがこちらを見た。
     また、隣に一緒にいた薄紫の髪の女性も同じように反応した。
    「やぁ、ちょっと久しぶりになっちゃったね。はいこれ、おみやげ。団長ちゃんの好きな、アレだよ」
     ジータの所まで辿り着いたシエテは、そう言って小さな紙袋を彼女に差し出した。
    「え! ほんとですか!? ありがとうシエテさん!」
     珍しくジータはシエテに素直に礼を言い、花のように愛らしい笑顔を浮かべて紙袋を受け取る。
    「いやーなになに、お礼なんてぜんぜん気にしなくていいからね。俺は団長ちゃんの、その笑顔が見られただけで満足だからさ」
     うんうん、と一人 5777

    ao_nene

    DONE少女と剣王/シエテ
    シエテのエピの「少年と剣王」が少女だったら、どうだっただろうなという妄想
    ※モブの女の子が出てきます めっちゃ喋ってます
    ※時系列はこくしんイベの少し前くらい
    まだ、陽が昇らないうちに家を出た。
    あれからどれくらいの時間が経ったのだろうか。
     頭の片すみでぼんやりとそんなことを考えながら、少女は何度目かの鍬を振り下ろす。
     鉄が地面を打つと、痺れるような痛みが手に響いた。
    (ちっ)
     心の中で思わず舌打ちしてしまうくらい、痛みの割に得られる成果は乏しい。
     足元にはまだ、せいぜい犬一匹分くらいの窪みができたくらいだった――。 
     街外れにある森の、奥深く。
     周りを占める大樹のおかげで、空からの陽は遮られ空気は冷えている。
     にもかかわらず、頭をすっぽりと覆っているくすんだ色のしたフードから辛うじて覗く少女の額には、じんわりと汗がにじんでいる。
    「こんなんじゃ、今日中に終わらないかもな……」 
     彼女の口から零れた声音は、ひどく頼りない。
     気休めに上を見ても、そこに空はない。
     光の届かないところが良い、と選んだのは他ならぬ彼女自身だった。
    「はぁ」
     黒々と生い茂る葉を見つめながら大きく一度息を吐くと、すっかり力が抜けてしまった。
     少女は持っていた鍬を地面に放り投げ、その場にしゃがみこもうとした、その時――。
    「こんなところで何 7752