七夕願い「星に願い?」
絵名のオウム返しに瑞希は頷く。
「そ、オホシサマにお願い事! ほら、もうすぐ七夕でしょ? スーパー行ったら七夕仕様のお菓子が売っててさ。それ買ったら貰っちゃったのがこの短冊ってわけ!」
瑞希が示した先には、セカイの地面の色と比べ鮮やかな色彩を放つ星形の小さな紙。小さく開けられた穴には紐が通っており、笹に括り付けられることが想像できる。
「ついでにちっちゃい作り物だけど笹も買ってきたから、セカイで七夕できないかなーって。ほら、君もいるしね」
ウインクした先には小さな少年。少し前からセカイに居着く幼姿の天馬司だ。キラキラと輝く瞳で星形の短冊を見つめている姿から子供らしさが窺える。
「オレも?」
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