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    リヴォルト

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    リヴォルト

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    ステインレス×ロックロックのss風駄作文章。
    将来に不安を覚えるロックロック的なやーつ。
    カップリング要素薄め☆

    10章、11章ネタバレ注意

    シンプルに文章下手かもしれない。
    下手かどうかも分からない。

    なんか難しそうな言葉使ってアークナイツっぽく振舞おうとする下手な小賢しさがありますけど多分面白いと思います。(傲慢)

    #アークナイツ
    arkKnights
    #ステインレス
    #フェイスト
    #ロックロック
    #ステロク
    #フェイロク

    何処まで行くんだろう。(ステインレス×ロックロック)ロドス・アイランド号と名乗るこの移動する大型基地の一角、エンジニア達が入り浸る工房のスタンディングデスクにロックロックは寄りかかる。

    椅子がないから妥協として腰を押し付けているわけでもなければ、ほんの少しの疲労も感じていない。
    彼女は何となくそうしているだけなのだ。
    この部屋を住処としているエンジニア達の中でも彼女は今、似つかわしくない程に健康だ。

    それどころか彼女は作業どころか用事すらない。
    機械部品を睨み、机上の目標に没頭することもなければ、誰かと話すことも無く突っ立ているだけの彼女に誰からの糾弾もないのは、ここが「そういうところでもある」という浸透してしまった無意識をロックロックも
    他のエンジニア達も認識すらしていないのだ。

    灯りをつけないままでいる机1つ分の薄暗い幅の空間を背に、ロックロックは工房の景色に視線を流しながら斜向かいの机で自身の作業に手を動かす彼を見つめる。
    手元で動き続ける機材と機械は鈍く上ずった音を止めどなく鳴らす。それと比較すると彼は恐ろしく静寂そのものである。瞼をこじ開け、呼吸音を消すように口を固く結び
    身体全体を棒にするように脚にまで力を入れるその姿は──

    子供が、生物が知識と存在に初めて触れるようなぎこちなさ。
    崇高な学者が、知り得た全ての知識を力として不透明さを暴くような勇猛さ。無邪気でありながら真摯。彼の今を言い表すならこれが正確だろう。

    ロックロックはその顔を見る度に1つの記憶を思い浮かばせる。このロドスに乗艦した時のことだ。ここに来てからというもの彼は新たな出会いと発見に心の熱は冷めることなく、今も上がり続けている。だが彼のこの状態は決して特別珍しくはない。
    初めて出会った時から、共に過した日々まで彼は珍しい、面白い物に興味と情熱を注いでおり、そんな光景にロックロックは既に見慣れていた。見慣れてはいるのだ。
    だが、そんな日々が重なる事に、ロックロックの中で一つの不安が芽を出していたのだ。

    「おっ、ロックロック。」

    ロックロックに気づき、彼はいつもと変わらない挨拶をかける。だが、ロックロックは今彼に見つかりたくなかった

    「…ん、調子良いみたいだね。」

    「まぁな!
    ロドスってほんとすげぇよな!
    わっかんねぇ機械ばっかで、クロージャさんもだけど、エンジニアの先輩達もすげぇ人ばっかで、俺まだワクワクしてるってーか…!」

    未だ興奮冷めやらぬといった様子で彼は今着手していたドローンの改造について語り始めた。

    (あぁ、これだ。)

    これこそがロックロックの不安の種だ。

    君は初めて会った時もそうだった。

    彼は自救軍の仲間達の名前を覚えるのに苦労をせず、皆様々な境遇を抱えている中で彼は直ぐに皆に好かれていった。
    ロドスと初めて会った時ですら彼は迷いなく手を差し出した。
    彼は自身の輪を広げることに躊躇がない。
    彼のアイデアはロンディニウムにいるエンジニア達と比較しても奇抜であり、そこから生まれた発明品は彼らの選択肢を増やした。
    分からないことにぶつかることもあったがその時は分かるまでデスクと向き合っていた。


    君の熱意は、まるで冒険のようだ。
    何処までも進み、見えなくなってしまうような。

    君はいつも知らなかった世界に目を煌めかせて、どんな出会いにも誠実さを差し出したからこそ君は自救軍にもロドスにも受け入れられたんだ。
    だから、私達はここまで来れたんだ。

    「で──そうだ、ちょっと待ってくれ。」

    彼は手に持っていたドローンを置き、奥へ引っ込んでいく。
    離れていく背中に考えが溢れ、ロックロックは1つの返答を出した。

    でも、私は怖くなってきちゃった。

    戦うことは、覚悟している。
    死ぬかもしれないのも分かっている。
    多分、向上心が無くなっちゃったのかな。

    大切な人達はどんどん私の前からいなくなって。
    もう奪われたくないから戦っているんだ。

    でも私、その後の事なんて考えてなかった。

    自救軍の皆と会って、一緒に過ごして苦しいこと、辛いことに打ちのめされた。
    でも、みんなと過ごしてきた日々は楽しくて。ずっと、ずっと一緒だと思ってたんだ。

    でも、そうじゃないんだよね。

    みんなも君も、奪われた人生を、自由を取り返すために戦っていたんだよね。

    ロックロックは変わることを恐れていた。
    今の自分は崩壊による変化によって行き着いた。
    だから、これからの皆の変化は復興によって「手に入れる」ものなのだと理解はできている。
    この戦いでロンディニウムの自由と尊厳を勝ち取ることが出来れば皆は喜んで求めていた日々へ歩んで行くだろう。これまでのように。
    だが、これまでの様に皆がずっと隣に居続けてくれる生活は変わるだろう。
    だが彼女を暗い水溜りに突き飛ばすには充分な理由だ。

    もし戦いが終わって、平和な日々が戻ったら
    みんなどうなるんだろ。


    治療チームのサンドラは優しいから、そのまま看護師になれたりして。
    子供に人気があるから先生にもなれるかも。

    少し神経質で手先が器用なオーリーは今みたいにエンジニアを続けるのかな。

    サーザは料理の味付けが相変わらず下手で…
    でもロブはサーザに惚れてるから頑張って美味しいって褒めて、サーザも喜んでる。
    このままいけば結ばれたりして。

    エディとジェサミーはヴィクトリアの軍人を興味津々に見てたっけ、軍人に憧れたのかな。

    指揮官は、クロヴィシアは何をするんだろう。
    ここまでみんなを支えてくれて、頼もしいリーダーだけど、案外どこにでもいるような普通の女の子なのかな。
    アーミヤと気が合ってるみたいだし、ロドスに加入したりして。

    ………………

    君は、何になりたいんだろ?

    このまま正式にロドスに入ってエンジニアとして活躍して、また色んな人と出会って……



    いつかみんな、遠くに行っちゃうのかな。



    何に惹かれて、何に憧れて、
    誰と会って、どこに行くんだろうね。

    私には、分からないな。

    それがものすごく──


    「お待ちどうさん!これぞ、ロックMark.20試作型だ!」

    「……Mark.20…って、君から完成品として貰ったのは18号までよ。ひとつ飛ばしてるじゃない。19はどうしたの?」

    「ハハハ…ロック19号も確かに作成はしてるけど、作ってる時に新しいアイデアが思い浮かんだんだ。でもそれつけるとシステムの負荷がキツいし、何よりパーツ全体がアンバランスになっちまうからいっそ今までのロックシリーズからさらに一変した次世代機を作れば良くね?と閃いたからこそのMark.20って名前って訳よ!」

    「…君ってば、素直に褒めればいいのか、それとも最早欲張りすぎて呆れるべきなのかな。」

    「思いついちまったものはメモするより試した方がスッキリするんだよ。」

    ……君は、やっぱり

    「ねぇ、フェイスト。」

    「ん、何だ?質問ならいくらでもしてくれ。
    クライアントの意向を尊重してこその未来の首席エンジニアさ。」

    フフン、と自慢げに鼻を鳴らすフェイストに
    ロックロックは彼にとって予想外の質問をする。



    「君の夢って、なに?」



    愉快を鼻先で遊ばせていた表情はその一言で真っさらになり、彼を悩ませた。
    ロックロック自身ですら何故か質問の意図が分かっていない。だが、それが今最も正しい問いかけということには納得していた。

    少しという時間の中で深く考えた彼だが、迷うことは無く、自信ありげに顔を開いた。



    「まだ決まってないな!」

    「…そっか。」



    意外だった。
    君のことだから、このままロドスでエンジニアとして高みを目指すなり、機械工学について大学へ学びに行くなり、なんならこの大地を宛もなく旅するっていう風にも考えてるんじゃないかと思ってた。だから、決まっていないというのはちょっと拍子抜けしちゃった。



    それならどういう風に、いつ決めるんだろう。



    「ロンディニウムに帰ってから決めるよ。」

    「…え?」


    返答の待ち時間に退屈することは無かった。


    「俺はまださ、父ちゃんや母ちゃん、じいちゃんやばあちゃんやみんなにロンディニウムが、故郷がどんな風に見えて何を見てきたか、まだ全然知らないからさ。だから、みんなで全部取り戻して、みんなと一緒に同じもんを見てみたい。そんで自由の中で俺の夢を見て、決めたいんだ。」



    ロックロックにとって、今まで共に過してきた中で彼の瞳は今この瞬間が一番輝いて見えた。



    「もしかしたらさ、煙とサビだらけの工場がピッカピカに見えるかもしれない。
    みんなの笑う顔がもっと見れるかもしれない。
    俺はもしかしたら、まだガキにすらなれてないかもしれない。
    俺は、工場の屋根から見てた夕陽や月の向こうに俺の知らない何かがあるって、心から信じられるようになりたいんだ。」


    長い生涯の中で一度できた恐れを拭い、
    振り払う事は簡単では無い。
    それはフェイストも、クロヴィシアも、
    アーミヤも、あのドクターにとっても同じだ。
    だがフェイストの言葉は、ロックロックを水溜りから立ち上がらせるには過剰な程だった。もうロックロックにとって、その暗がりは見下せるものになったのだ。

    「だからさ、絶対に勝とうぜ。」


    フェイストはロックロックの手に試作品ではあるものの、はっきりとした誠意を置いた。


    「…うん、絶対に勝とう。」



    そうだね。私も君も、なんにでもなれる。
    リーダー、エンジニア、医者、料理人、軍人、
    貴族、画家、音楽家、言い出したらキリがないね。


    ロックロックはその手の中にある誠意を指で
    遊ばせながら大事に受け取った。


    君がどんな道に進んでも、何になっても。
    私がどんな先を選んでも、君たちに胸を張れるようになれるかな。


    ロックロックは胸の内の答えを、未来の自分へと大切に先伸ばした。
    その時に、ちゃんと伝えられるように。
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