拝み屋ドタバタ聖杯戦争①【CASE1:召喚】
拝み屋はそもそも呪術師と同じ括りにされるので、つまり自分自身がキャスターなんだな。と生駒は考える。午前二時、草木は眠るが魔性は騒がしい丑三つ時のことであった。
高架下の一角に構えた城、拝み屋生駒の看板は営業時間外を示して静かである。
折口生駒はしがない拝み屋だ。
奈良から上京し、治安が良いとは言えない高架下で細々と拝み屋を営んでいる。
元はと言えば「奈良の折口は貧乏拝み屋」と揶揄されつつも、それなりに長い歴史と実力を持つ拝み屋を両親が営んでいた。その両親が死んで、食うに困った生駒は「きっと依頼が沢山舞い込んでくる」と浅はかにも上京し、なんやかんやと苦労しながらどうにか拝み屋家業も右肩上がり気味の今日この頃である。
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