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    asagi

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    ゼロロイ
    ゼロスの屋敷に一時的に働くことになったロイドとちょっかいかけるゼロスの話。書きかけ。

    #ゼロロイ
    zeroloy

    ご主人様とメイド(仮) なんやかんやあってゼロスの屋敷の使用人として一時働くことになった。難しいことはできないから雑用係でしかないけれど、力仕事ならどーんと任せてくれ!
     支給された服に着替えたところでゼロスが部屋に入ってきた。

    「ご主人様とメイドごっこできるじゃーん♡まあメイドってよりボーイだけど。これは脱がしがいがありますなぁ。ご奉仕に期待しちゃう」
    「なんで脱がすんだ?せっかく着替えたのに」
    「なんでって、脱がしたいからに決まってんだろ♡」
    「だいたいわかったぞ。ろくでもない理由だな。出てけ!」
    「どわぁ!」
     いるだけで話が進まないゼロスを部屋から追い出し扉を閉めた。

     メイド長の提案から、休みで抜けたルームキーパーの穴埋めになること、メイド長がサポートに入ってくれることになった。

     各部屋の清掃、ベッドメイクが終わり、使用済みのシーツが山盛り入ったカゴを持ってランドリールームへ向かう。
     運び終えた洗濯物を洗濯機へ放り込んでいく。別件でメイド長がランドリールームから出ていくのと同時に、使用人の動向チェックと称してゼロスがフラフラと遊びにきた。

     いつの間にかいつもの目立つピンク色の冒険着ではなく、屋敷の主人として威厳のあるきっちりした服装に着替えている。髪を綺麗にまとめて、編み込んでリボンで飾り付けてある。服装だけでなく、香水も違うのか、いつものトロピカルな甘ったるい匂いではなく、ペパーミントのスッキリとした匂いが漂う。

    「お仕事順調〜?」
    「たった今捗らなくなった。何でだろうな?」
    「さーなぁ。俺さまサッパリわかんな〜い!」
     うるせぇ。
    「俺さまもロイドくんに合わせて着替えてきちゃった♡」
     そのまま両手を広げてぎゅっと抱きついてくる。動きやすい冒険着より華やかな家主としての衣装はいつもと雰囲気が違って、思わず見とれてしまいそうになる。
    「か〜わいいなぁ♡」
    「暑苦しい!」
     けどそう言いつつもゼロスに抱きしめられて安心するし、ゼロスの体温を感じて嬉しくなってる自分もいる。心臓の音、ゼロスにバレてないよな?流されないようにしねぇと。

     背中に回っていた手がいつの間にか尻を触っていて、いやらしい手つきで尻を揉まれた。
    「ゼロス、何して……っ」
    「ん〜?ちょっとつまみ食い」
     顎に手を当てて顔を上げさせられた。

     キスされる。そう思った。

    「……っ」
     とっさに目をぎゅっと瞑って身構えていると、すっとかわされて仕事の邪魔になるからって言って、ゼロスは手をふりながら帰っていった。

     くそ、ちょっと期待してたの、わかっててこーゆーことするから、ゼロスはほんとズルい。仕事中なのに、期待して、恥ずかしいし、みっともないったらない。
     抱きしめられたから、ゼロスの香水が移って残り香がする。しばらく消えそうになくて、匂いがするたび思い出して仕事に集中できないのが嫌だ。
    「勘弁してくれよ……」
     思わずその場にへたり込んでうな垂れた。


     戻ってきたメイド長がうな垂れた俺を見て心配そうに見つめてくる。
    心配される理由も、えっちな気分になったから、なんて言えないから、気持ちを切り替えて仕事に戻った。

     各部屋の暖炉の清掃、使用済みの石炭の入れ替え。薪割りは雑念から逃れるのにちょうど良くて助かった。

     今日のぶんの仕事が終わって、メイド長からゼロスの部屋の清掃を命じられた。と言ってもどこをどう掃除すればいいかなんてわからないし、ゼロスの指示らしいけど、何か仕組まれてる気がしてならない。

     ゼロスの部屋に入ると、俺を待っていたようで公務用の机の上に腰掛けている。
    「ハニー♡待ってたぜ」
     ウインクをして上機嫌に愛想を振りまいてくる。今日はなんか一日中楽しそうだなお前。
    「ゼロスの部屋の掃除とかわかんないんだけど」
    「なんもしなくていいぜぇ」
    「は?」
    「メイド長もわかってっから」
     うまく状況を飲み込めないでいる。
    「今日の仕事はおしまい!ってなわけで、俺さまとご主人様とメイドごっこしようぜ♡」
    「まだその話続いてたのかよ!」
     呆れたやつだ!

    「なんだよ、キスして欲しかっただろ?」
     にっこりと笑って、日中焚き付けてきたことを思い出させてくる。ゼロスは自分の美貌の使い方をよく理解している。挑発するような、少しいじわるな目線を向けてくる。美しさをほしいままにしたゼロスが俺だけを見ている。目が合えばどきりとして、目が離せなくなって、魅了されて、逆らえなくなりそうになる。

    「それは……」
     あのときキスをして欲しかった。その通りだった。俺は図星をつかれて言い淀んでしまった。
    「最近ハニーとご無沙汰だったし、今日はめいっぱいキスしてぇなって。キスだけじゃなくてそれ以上のことも、な?」
     甘い誘惑に仕事の途中で折られた欲がもたげ始める。

     ゼロスは俺を誘惑して主導権を握ろうとしている。いつもより積極的に。やっぱなんか裏がある気がしてならない。
     誘って釣れたらラッキー。そんなノリを感じる。今日の俺は魚。ゼロスは獲物を狩りたくてうずうずしてる虎かも。釣られてやる?狩られちゃう?

     ゼロスはえろいことがしたい。俺もえろいことがしたい。まあ、そういうことだよな。

    「ごっこって、何すればいいんだよ」
    「ロイドく〜んわかってるじゃないの♡」
     ちょっとムカつくニヤついた表情からちょー嬉しー!って叫んできそうな笑顔に切り替わった。ゼロスはニヤついた顔より自然体に笑う顔のほうがいいよ。安心する。
     誘いに乗ってこられたら、そりゃそうなるよな。わかるよ。

    「ご奉仕して欲しいな〜♡」
    「ごほうし……?」
     何語?わっかんねー。

    「こういうことだよ」
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