巣の中心から外れた位置にある外郭。
人間が暮らすには厳しい環境で定評らしいが、幻想体『ホリディ』の化身である自分には関係ない話だ。
舞台は一日中、吹雪が吹き荒れている外郭のうちに存在する工場。
動くぬいぐるみと見間違う程の小柄で可愛らしい”ノーム”と呼ばれる怪物の群れが、ノッムノッムと独特な掛け声をあげながら機械を回しているおかげで、外が寒くても中は温かい。
ゴウン、ゴウン。ウィーン、ウィーン。ゴォォ、ゴォォ。
沢山のベルトコンベアが回転する音に大きな機械が煙を吹き出す音など、様々な音が飛び交う。
ベルトコンベアで運ばれてきた玩具や道具などをノームたちが手馴れた手つきでせっせっとプレゼント箱に包んでいく。どの巣へ届けられるかは詳しくは聞かされていないが、出来るだけいっぱい欲しいとの注文を受けているので止めるわけにはいかない。
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