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    oriron_kon

    主に妄想の呟きを文章化。リンバスは5×7と2×7が気になる。

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    oriron_kon

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    ヒスの部屋に乱入してきたドンキを隠したつもりが布団の中でセクハラを受けるだけの話。
    ※7章に突入前の時期前提でお読みください。
    未本番ですが胸責め描写ありなので一応ご注意を。

    #ドンヒス

    ドンヒス『狸寝入り』 そろそろ寝ようかとベッドに顔を向けたタイミングで、激しくドアをノックする音がヒースクリフの眠気を吹き飛ばした。
     今にも壊してきそうな勢いでドンドンドンと叩き続ける癖に心当たりがあった彼はうんざりといった表情で荒っぽく髪を掻き毟る。
     大音量の雷音が鳴り響いているはずの空間に負け劣らない激しいノック音をいつまでも放置するわけにはいかず、肩を怒らせながら乱暴にドアを開けた。
     そこにはパジャマを着たドンキホーテが馬を模した抱き枕を脇に抱えながら目を輝かせていた。よく見ると鼻は真っ赤で、時々鼻をすする音が聞こえる。
    「ドンドンドンうるせぇな!いつまで叩く気か」
    「おお!ヒースクリフ氏!よくぞ、私の呼びかけに応えてくれた」
    「無視する方が難しいだろうが!」
     完全に激怒しているヒースクリフが目の前に現れてなおも、ドンキホーテのポジティブな思考は変わらない。
     一人でも誰かが廊下に残っていたら騒音迷惑だとクレームが飛んでくること間違いなしであろうレベルに二人の大声が飛び交う。
     ある程度叫んだことでようやく気持ちが落ち着いてきたヒースクリフは肩を落とすようにため息を吐いた。
    「…で、何だ?こんな時間にわざわざ訪ねてくるぐらいだ、何か用でもあんのか?」
    「実は!ヒースクリフ氏の布団に入らせていただきたく!ここを訪ね申した!」
    「帰れ」
     これから寝る予定とは思えないほど目をキラキラさせながらドンキホーテが挙げた提案をヒースクリフは問答無用と言わんばかりに素早く却下した。
     寛容的に受け入れてくれると思い込んでいたらしき彼女の丸い目が驚きで更に丸くなる。
     あんぐりと大きく口を開けるといった分かりやすい反応を見せたドンキホーテは、抱き枕ごと両手を振り回しながらヒースクリフに飛びついた。
    「そんな!何故、私がここを訪ねてきたのかを聞かずに追い返すつもりなのか」
    「嫌な予感がするからだよ!」
     咄嗟に相手の両肩を掴んで止めたヒースクリフもつられて怒鳴り返してしまう。
     思い立ったら即行動、の言葉が似合うドンキホーテがまともな理由を用意して部屋を訪ねて来たとは到底考えられない。むしろトラブルの種を抱えて飛び込んできたと考えた方が納得出来る。
     彼女による突発的な提案に付き合わされる度にヴェルギリウスやウーティスに叱られてきたことを思い出したのもあり、どうかにして部屋に入れさせるわけにはいかない気持ちがますます強まる。
    「大方、誰かを怒らせたから収束するまで匿ってくれって話だろ」
    「あぁ…それは違います。寒いからヒースクリフ氏で暖まろうとの気持ちで、別に誰かを怒らせたとかそんな」
    「幸い、私の部屋はヒースクリフ氏の部屋ほどそこまで寒くないのでありますが…朝まで気持ちよく寝るには暖かくないのも事実!つまり!ぶっちゃけ寒い!」
    「…そこで私は思いついたのである!そう!ヒースクリフ氏にくっつきながら寝たら温かいのでは!と!」
     流れるように自分の部屋を貶された気がするが、要は湯たんぽ兼抱き枕になれと言いたいわけだ。
     ようやく彼女の目的が判明したヒースクリフは唸る。
     寒いから入らせてと言われて「そうか、なら入れよ」と歓迎するわけがない。
     良かれと思ってやったことが後に痛い目に遭うのは繰り返し何度も味わされてきた。
    「ってことで、お邪魔しまする」
     小柄な彼女は、言葉に詰まっていたヒースクリフの脇下を素早くすり抜けた勢いに乗ってベッドに飛び込んだ。
    「テメェ帰れっつったの聞こえなかったか」
    「ここで追い出されたら今度こそ私は凍え死んでしまいます!」
    「時計ヅラに針を回してもらえ!」
     ロールケーキみたいに布団に包まったきり、話を聞こうとしない相手の体を激しく揺さぶったり怒鳴りつけたりとヒースクリフは全力で追い出しにかかる。
     その時、コン、コン、と今度は一定の間隔でドアをノックする音が聞こえた。
     突然の音に焦ったヒースクリフは、素早く布団を引き剥がしては彼女ごと隠れるようにベッドに飛び込んだ。
     ここで寝たふりをすればいいのに、焦りのあまり冷静を失った彼は咄嗟に返事をしてしまう。
     しまった、と後悔するも既に遅し。
     少しだけ扉が開かれ、炎を灯した赤い時計…管理人のダンテが隙間から顔を出してきた。
    <あ…起きてた?そりゃ返事するよね、起きてるから>
     カチコチと秒針を刻む音を響かせながらダンテは探るように様子を伺う。
    「ま、まぁ…起きてる時にドアを叩かれたら誰だって返事してしまうだろうが」
    <だろうね。あぁ…大方、予想はついてるけど…ドンキホーテかな?あの人、結構ドアを叩いてたよね>
    <それが結構響いてたみたいで、あのヴェルギリウスもご立腹で……うん>
     あの鋭い目に赤い光を宿しながら腕を組む立ち姿を想像したヒースクリフは、恐怖の意味でぶるりと震え上がった。
    「わ、悪かった…!すまねぇ…あの、アイツは…えぇと、もうどっか行ったと、思う…」
     アイツなら俺の後ろにいるぜと明かすべきかと思ったが、このタイミングで告白するのが怖くてつい隠してしまう。
     妙に歯切れの悪い返答にダンテは不思議がるも、赤い視線に恐怖をなしたのだろうと解釈したらしく、深くは突っ込まなかった。
    <あぁ、そうなの?どこへ行ったんだろう…早めに保護しとかないと、後で面倒なことになりそうなんだけど…>
    「……」
     ヒースクリフは再び後悔した。
     もしかして最後のチャンスを失ったかもしれないといった不安が胸の中で渦巻く。
     ダンテが訪ねてきた時点でドンキホーテが乱入してきたと告白すれば円満的に解決できたかもしれない。嘘に嘘を重ねてどうする、と自分で自分を責めた。

     一方、ヒースクリフの大きな背中で隠されていたドンキホーテは丸い瞳をぱちくりとしていた。
     やや、私をお探しでありましたか!しかしヒースクリフ氏は相変わらず寛大な方である!
     暖を求めて部屋を訪ねたとはいえ、廊下で騒いだ件について赤い視線から怒られるのは誰だって避けたいだろう。自分が原因でトラブルが発生しかけているのを棚に上げて彼女は一人で感動する。
     それにしても、とドンキホーテは相手の背中に抱きついては至福そうな表情で頬ずりし始めた。
     相変わらずヒースクリフ氏はポカポカと温かいでございまするな。
     相手の動きを感知したヒースクリフが振り解こうと布団の中で身じろいだり、手で払いのけたりと抵抗し始めた。それでもドンキホーテは離れようとしない。
    <大丈夫?なんかタイミングでも悪かった?>
     寝返りにしては動きが変だなとダンテがまたも不思議がる。
    「悪いも何も、これから寝ようって時に来られたら誰だってそうなるだろうがっ…!」
    <あっ…う、うんっ…>
     苦し紛れの否定のつもりが案外、通じたようだ。
     そうだね眠たいもんねと子供に言うような口調なのが腹立つのをグッと耐えてるのに対し、ドンキホーテの好奇心は別のところへ移っていた。
     彼の筋肉質で大きな背中を越えて、伸ばした両手が豊満的な胸筋に触れる。
     女性の乳房ほどではないが、力の入っていない胸筋はむっちりとした柔らかさに温もりを感じたのが、好奇心旺盛な彼女の興味を惹きつけた。
     意外と丸みのある輪郭に沿って小さな手で撫で回しては、隅々まで感触を確かめるかのように揉みしだき始める。
     時には指が沈むぐらいに鷲掴みしたり、ある尖りを狙い牛の乳搾りに似た手つきで揉んだりと次第に遠慮がなくなる。
     警戒するようにダンテを見つめていたヒースクリフの両瞼が不意に震えた。
    「んっ…お前、さっさと寝ろよ…」
    「ヒースクリフ氏の胸が思っていた以上に気持ちよくて…これでは止められませぬ…」
     慌てて囁いてきたのを同じく小声で返事しつつも揉みしだく手は止まらない。
     胸筋の全体を撫で回すように縦横無尽の動きで揉みしだくことで、パジャマのボタンが一つずつ外れていく。異なる体温が直接、肌に触れてきたのにヒースクリフの声が上擦りかけた。
    「んな、我儘言ってねぇで…」
     何も知らない第三者に見られている状況がより羞恥心を煽ってくる。
     バレてはいけないと焦れば焦るほど、ドンキホーテがどんな手つきで触っているか敏感に感じてしまいそうで一刻も早く出て行って欲しい気持ちが強まる。
    <……あまり機嫌が良くないようだから私はそろそろ失礼するね>
     返事を渋ってるように見える様子を単に就寝を邪魔されたのだと解釈したダンテがそそくさと廊下へ引っ込んでいった。
     バタンッとドアの閉まる音が聞こえたと同時にヒースクリフの口から安堵の息がこぼれる。
    「んっ…んんっ……」
     背を丸めては手で口を押えながら静かに悶える。
     バレていないようで実はバレていたかもしれないと不安なはずなのに、甘くてピリピリと痺れるような感覚が胸から広がって、ふわふわした気持ちになりかけている。
     もういっそ、気が済むまで好きにさせようかな…。
     相変わらず止める気のないドンキホーテの両手の上に自分の手を重ね、ヒースクリフは抵抗することを止めた。

     次の日の朝には呆気なくバレてしまうも、夜は一段と寒かったからそんな日があっても仕方ないよねと意外と深くは追及されなかった。
     実は違う意味でドンキホーテはヒースクリフで暖を取っていたかもしれない可能性に誰も気づくことなく。
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