ツンデレポメガの恋模様今日は二階堂永亮にとって厄日だった。
連日の部活とバイトで疲れていた自覚はあった。
案の定寝坊していつもは乗らない混んでる時間帯の電車に乗ったら痴漢に遭うわ(降りる時ガンっと音が響く程強く足は踏んづけてやった)、天気予報はハズれて土砂降りの中走ることになるわ、横を通る車に盛大に泥をかけられるわ‥とにかく散々だったのだ。
(あーもーやだ‥疲れた‥)
頭の中でそう考えた時、ボンっと大きな音とともに自分の視界が急に低くなったのを感じた。
『あー‥やっちまった』
覗き込んだ地面の水溜りには、プラチナシルバーの毛並みとマライバトルマリンの目を持つ、一匹のポメラニアンが映っていた。
『ポメ化するとかまじねーわ、クソ‥』
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