ミッ木が死んだような目をしながら吉オジの家で膝に猫乗せ、吉オジに背中ポンポンされてるところに入ってきたクラさん。
クラ「ミキサン、大変オ疲レデスカ?」
吉「そうみたいですねぇ。あ、せっかくだからクラさんも三木さんいい子いい子してあげたらどうです?」
クラ「イイコイイコ、トハ?」
新しい言葉に首を傾げると、吉オジは少し焦る。いい子いい子なんて日常で使ってはいるが、改めて意味となると意味の教えにくい言葉だった。
吉「あーえっと、可愛がるっていうか、あやす?なんか、小さい子供を褒めてあげるような、そう言う時に使うんですが」
クラ「??…可愛イスルト褒メルワカリマス。アヤスハ、泣カナイデスル。デハ、イイ子イイ子ハ何シマスカ?」
吉「何しますか!?え、何しますっけ…?あ!なんかこう言う風に小さい子とかにいい子いい子って言いながら頭撫でたりします(ミッ木の頭撫でて見せる)」
クラ「ミキサン、小サイ子供デスカ?」
吉「今は弱ってるので、小さい子扱いしてあげるほうがいいかな。嫌なことや大変なことを頑張れた時に使ったりします。あとなんか優しく励ましたり、元気出るように甘やかしてあげる意味もあるはずなんですが、どうしよ自信なくなってきちゃったぁ」
クラ「頑張ルシタ子供二、褒メルト甘ヤカススル…ワカリマシタ」
クラは理解した!とキリッとした顔で頷くと、ミッ木の隣に座り彼の頬を両手で包む。
半分意識が飛んでるミッ木はされるがままだ。
いきなり何が始まったのか、今の説明からどうしてそうなったのかわからないので、吉オジは頭の上でクエッションマークを飛ばしながら様子を見守る。
クラ「ミキサン」
三「?クラさ……ヒェッ」
名前を呼ばれゆるりとそちらに視線を向けたミッ木は、真正面からクラの顔を見て息を止めた。そこには穏やかな顔で、そう、まさに慈愛溢れるといった表情で微笑むクラの顔が。
クラ「イツモ頑張ッテイル、ミキカナエハ偉イ子デスネ」
三「ちょ、ま…クラさん待って…」
混乱しながらも手でタイムのポーズを作ろうとした三木だったが、それより先に額にそっと何かが触れる感触がした。
額に何か、具体的に言うと人間の一部というか、もっと具体的に言うと目の前にいる大切な隣人の唇的な何かが。
三「ミ゜ッ!!!??」
自分の額にクラージィがキスをした。そう自覚した瞬間、三木の口からは奇天烈な鳴き声が飛び出す。
なんだ、何が起こってるんだ??わけもわからず相手を凝視するミッ木の目の前では、顔を離した彼が「フフッ、ミキカナエ、イイ子イイ子」と楽しそうに囁くと、改めて視線を合わせてニコリと微笑んだ。
クラ「ミキサン、元気デルシマシタカ?」
その言葉にミッ木と吉オジは今度こそ固まった。
そして少しの静寂の後、ミッ木は自分の頬に添えられたクラの両手をしっかりと掴むと、ヘラリと笑って返事を返す。
三「おっぱい揉むより元気出ましたマジでやばいどこで覚えたんですかこれ(超早口)」
クラ「オッパ…ナンテ??(早すぎて聞き取れなかった)」
吉「うん、三木さん今すぐ手離してちょっと黙ろっか」