小夜左文字は四番目の刀である(仮) 小夜左文字は、この本丸で四番目に顕現した刀剣男子である。
立ち上げから十年以上が経ったこの本丸では古参と呼ばれる立場だ。自然と、最初の刀である山姥切国広を補佐してまとめ役を担う場面が多くなる。審神者が病に伏している現状ではなおのことだった。
審神者は若くはないが、老いてもいない。当人ですら、初めは質の悪い風邪か何かだと思っていたようだ。特別な治療が必要な病であると分かったときには既に手遅れで、ボールが坂を転げ落ちるがごとく病状は悪化した。
小夜左文字が審神者の額に乗せる濡れタオルを変えていると、審神者はうっすらと目を開いた。
「ありがとう。でも、うつってしまうかもしれないから気にしなくていいよ」
審神者の額は熱い。
「うつるような病じゃないし、僕たちにはうつらないよ」
小夜左文字が首を横に振ると、審神者はちょっと目を見開いて、それから笑った。
「そうか。そうだね……」
どこか悲しそうなその笑みは、ある雪の日に庭で遊ぶ短刀や仔虎たちを眺めていたのと同じ顔だった。
なぜ審神者がそんな顔をするのか、小夜左文字には想像もつかない。
この後の展開:
●審神者の日記?を見つける
「…時の政府によれば、あの子が消えたのは歴史修正主義者のせいらしい。そんなこと許せるはずがない。正しい歴史を取り戻せば、あの子は帰ってくる…」
●審神者の死の前後に審神者の日記?について山姥切国広と話す機会があり、日記?の記述が全てではないことを知る
・具体的には審神者(とその家族)こそが歴史修正主義者が作り出した歪んだ?歴史の副産物であり、正しい歴史を取り戻す=審神者の存在が消滅するということである
・その事実は病に倒れる直前(=審神者として既に何年も戦った後)に知ったことである
●審神者の死後について
・審神者:刀剣男子たちに対する愛情はあるが、自分や(戦う理由であった)家族(たぶん弟妹か子供)の存在を消すのに加担?されるのは耐えられない→多くの刀剣を刀解する。本丸自体がどうなるかはどうでもいい。
・山姥切国広:本丸は残すが、他人は入れない。この本丸が無くなってしまったら審神者が存在していた事実すら残らない。そんなのはあんまりだ。
・さて小夜左文字はどうする? っていう話