『仲直りの仕方』「はぁぁぁぁぁぁ〜〜……」
地の底から漏れ出したような溜息を深々と吐いた。
出勤してからずっとこの調子の太宰が正面に居る敦としては目障りと言うか、なんというか。
「あのー……太宰さん、そろそろ仕事しないと国木田さんが……」
壁にかけられた時計をチラリと見ると、あと数分で国木田が戻る予定の時刻になる。
その時にこのような態度でいれば必ず怒られる。
そして、なぜか敦も巻き込まれる。
そんな敦の気持ちを察することなく、太宰はまた溜息を吐いてじとりと睨む。
「敦くん。先輩がこぉんなに落ち込んでるというのに、励ましの言葉もないのかい!」
「え、励ましたら仕事してくれるんですか?」
疑うことを知らない、純粋な瞳で敦は云う。
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