なんでもない日……だった日 & 呼び方の色々なんでもない日……だった日
「来てやったぞ」
「うん、いらっしゃい」
賃貸であるこの城の扉が、三ヶ月ぶりに外から開かれた。出迎えるのはここに住まう痩身の吸血鬼と使い魔のアルマジロ。出迎えられたのは赤がトレードマークの退治人と彼と共に暮らすツチノコとかぼちゃ。
「今回は長かったね…海外だっけ?よく行くよねえ…」
「おう!名が轟き過ぎるのも困ったもんだぜ」
「そういうのはもう少し困った顔をして言うものだよ」
慣れた手つきで帽子とマントを回収した痩身の吸血鬼が、退治人に風呂をすすめながら、何が食べたいか問うと吸血鬼の予想通りの答えが返って来た。
「和食、味噌汁」
「もう出来てるよ」
「マジか……飯作って俺の帰りを待ってくれる誰かがいるっていいな…」
1110