微熱 寝苦しい夜だ。
じんわりと肌に汗が染みてくる。隣で眠る彼は、涼しげな顔で寝息を立てている。
シングルベッドで、成長期も過ぎた大人が二人して寝るなんて正気ではない。
しかも、このベッドには人間二人にぷりん一匹も陣取っているのだ。薄っすらと開けた窓からは、夏の夜風が漂ってきた。
隣で眠る恋人兼相方を時折、部屋に呼んでお喋りをしながら夜を過ごす。壁の方を向いて静かに寝ていた彼がくるりとこちらに寝返りを打つと、陶器のように白い肌がこちらを覗いた。
いつもと変わらぬ顔であるのに、眠っているというだけで、こんなにも悪いことをしているように思うのだろう。
睫毛長いな。
お肌、つるつるだな。
触ってもいいかな。
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