ガーランド家と猫 猫という生き物は素晴らしいと思う。
しなやかな体、つやつやふわふわの毛並み、宝石のように輝く瞳。気まぐれな性格だって愛おしい。
「ガーランド邸は天国だな」
朝から大量の猫に囲まれた俺はご満悦だった。ソファーに座った膝の上には折り重なりぎゅうぎゅう詰めになりながら眠っている五匹の子猫。毛色も毛並みも様々、色とりどりな子猫達は思い思いの格好で気持ち良さそうに眠っている。俺の左にはブランコがその大きな白い体をぴったりと寄せて香箱座りで微睡んでいるし、右隣にはノーチェの息子であり、ブランコの兄猫である淡い茶色の虎猫アマネセルが行儀良く座りながら顔を洗っている。頭の後ろにあるソファーの背凭れではノーチェが伸びて喉を鳴らしているし、足元にはブランコとアマネセルの妹猫で子猫達の母親である三毛猫マドゥルガーダが寝転がっていた。
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