あの後確認に来たラミアス艦長とフラガ大佐には大層喜ばれた。艦長が話を通していたために今朝はコノエ大佐までいらしてくださって、そこでハインライン大尉は休養を命じられた。
まあ、うん、隈がな。明らかに寝てない顔してるからな。
というわけで今彼は隣のベッドで静かに眠っている。
相手の意識がないのをいいことに、改めてまじまじと顔を見る。
疲れた顔でも眠っていても、鑑賞に堪える造形に感心してしまう。
―睫毛長いな。量も多くて隙間もないし。これなら『爪楊枝くらい乗りそうだな』―
思考に声が重なった。
脳裏に情景が蘇る。
『爪楊枝くらい乗りそうだな』
『……何だって?』
いかにも不機嫌、というように眉が顰められる。
『お前の睫毛。そんだけバサバサ生えてるんだから爪楊枝くらいなら乗りそうだよなーって』
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