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    mitotte_kazu

    @mitotte_kazu

    自機ルガオスとエタバン相手のヴィエラとかよそよその話とかNPCよその話とか置いとく場所。
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    mitotte_kazu

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    レドリアさん(@ryudran663 )の誕生日を祝うナイトさん(@haruorigin )の話。ちょっと昨年のとかと繋がってる部分があります

    生誕祭Ⅱ「そういや明日だな」
     ナイトの呟きに反射的にカレンダーに目をやり、あぁ、とレドリアは納得する。予定はないよな?と当然と言わんばかりの声で問われ、勿論だと頷いて答えた。
    「どこか食いに行くか?」
     舌が肥えた彼のことだから提案に乗ればウルダハの中でも名店をピックアップしてくれるだろうが、首を振る。前に食べたあれがいい、と切り出してみると、目を瞑った彼は数回頷いていいぜと返してきた。胃袋掴まれてんなぁ、と揶揄うように言われ、熱くなった顔でこくりと頷く。
     翌日。速やかに依頼を終えて帰宅すると早いな、とキッチンから彼の声がした。肉が焼き上がる香ばしい香りが漂う中で、彼が鍋と向き合っていた。香り高いスープの中でポポトが泳いでいる鍋を見つめていると、まだ途中、と苦々しく呟かれる。
    「見ていても?」
     興味津々で尋ねてみると勝手にしろと言いたげに雑に頷かれた。一番大振りなポポトに串が通るまで柔らかく煮込まれたのを確認した彼が自動攪拌機を手に取る。振動しながらスープとポポトが混ざり合っていくのを興味深く眺める。
    滑らかに混じった鍋の中身に、ポタージュかと呟くと、ハズレと短く返された。蓋を外し煮込まれ続けた鍋に、ミルクを注いで火を止めた。ゆるく混ぜ続けてから、もういいか、と独りごちた彼が残りのミルクを注ぎ混ぜた鍋を持ち上げる。
    「あとはこう仕上げる」
     腑に落ちない表情をしてしまっていたであろう自分に、いつもの笑みを浮かべた彼は保冷庫の扉に手をかけた。何個かのアイスクリスタルを鍋近くに添えて保冷庫の中にしまう。
    「ヴィシソワーズだよ」
     どこか楽しそうに言う彼に、以前作ってもらったのを思い出し頬が緩んでしまう。オーブンに目を向けた彼が肉もそろそろか、と呟き、テーブルに向かうよう促された。
     こんがりとローストされた塊肉とヴィシソワーズとサラダと香ばしく焼き上げられたバゲットというディナーを堪能する。今回はロネークの肉だというローストやサラダに舌鼓を打つ。この季節にしては珍しく暑かったから、と冷製に仕立ててくれたヴィシソワーズを口に運ぶと以前と異なる口当たりに首を傾げてしまう。
    「今回は濾してない」
     その様子を見ていた彼が目を泳がせながらぼやく。帰りが思っていたより早かったからな、と唇を尖らせた彼に慌てて首を振る。
    「いつも通り美味しいし、こっちも美味しいから大丈夫だ!!」
     思っていたより大声になってしまい、目を丸くさせた彼に気付いた。すまない、と小さく弁明するとそりゃどうも、とくつくつ笑われた。
    「ほらよ」
     柔らかく泡立てたホイップクリームを添えたシフォンケーキをデザートに頂いていると、乱暴に小箱を投げ渡された。慌てて受け取り、掌に収まるサイズの小箱を眺める。
    「お前が着ける用の首輪」
     いつも通りの声色で言われ顔が熱くなる。反射的に彼の方に視線を向けると頬杖をついてこちらを見つめていた。早く開けろよと顎で示され、つい従ってしまう。
     小箱の中にはシルバーで作られたシンプルな指輪が収まっていた。
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    mitotte_kazu

    PASTアルバートと🐇さんの香水ネタ
    無粋と香水 部屋に戻ってきたヴィエラが疲れたようにベッドに倒れこんだ。お疲れさん、と姿を現したアルバートに疲れたぁ、と布団に顔を埋めたままくぐもった声で返す。
    「罪食い多すぎ……」
    「仕方ないだろう」
     ぼやいた彼女に彼が短く返すとうー、と何かを訴えるように呻いた。ベッドに歩み寄り、腕を組んで彼女を見下ろす。
    「ほら、飯でも食え。腹が減ってはなんとやらだ」
     わかってるぅ、と呟いた彼女がのろのろと起き上がる。と、その首元にアルバートが顔を埋めた。形容し難い声を漏らして後ずさった彼女に彼は無邪気に尋ねる。
    「香水か?」
     花の匂いがする、と首を傾げたアルバートに一瞬の間を置いてヴィエラは頷く。
    「花だけじゃないけど……」
     指を折りながら彼女が香水に含まれている植物の名を挙げていくが、幾つかピンとこないようで彼は更に首を傾げた。その様子を見てゆっくりと立ち上がった彼女が室内のドレッサーに近付く。しばらくそこを探っていた彼女がこれこれ、と綺麗な小瓶を手に彼の元へ向かって歩み寄った。ゆらゆらと彼女の手の中で揺れる瓶をなるほど、と眺めていた彼の前で、彼女は自身の手首に数回香水を吹き付ける。強く広がった香りに一瞬顔をしかめた彼があぁ、と小さく呟いた。
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