きらきらりきらきらり
俺たちにとって夏のレジャーは海なんだけど、たまには趣向を変えてもいいんさじゃねえかなと思って向かった先は、とある沢。
「みとー!すっげー水気持ちいーぞ!」
早く来いよー!って言いながら、川に足を浸けてはしゃぐ三井さん。
雲ひとつない晴天と眩しい太陽。
強い日射しは周りの木々の緑に緩和されて、きらきらとした光の粒が沢に降り注いでるようで。
ばしゃばしゃと水音を立てながら川岸を歩く三井さんの笑顔が、水面に反射した陽の光に相まっていつも以上にきらきらして見える。
「おーいみとぉ?なにボケッとしてんだよ?」
気がつけば俺の視界に差した影と近づいてきた三井さんの顔。
「暑さにやられたか?」
「そんなことないよ」
「ふーん?ほら早く来いよ、水、すっげー気持ちいーぞ」
躊躇いなく俺の手首を掴んで引っ張っていく三井さんはまたきらっきらの笑顔。
その笑顔に俺が釘付けになってるなんて、きっとこの人は気づいていない。
でもそれでいい。
雲ひとつない青い空と木々の緑と木漏れ日に反射して輝く水面と三井さんの極上の笑顔。
この一瞬は俺だけの宝物