Candy so sweet 「今度の日曜日、森林公園でまったりってのはどうだ?」と、講堂の入り口で彼女に声をかけたのは風真玲太くん。
「あ、玲太くん! うん、行きたい」 嬉しそうな笑顔のあと、彼女の顔がほんの一瞬だけ曇るのを見逃さない。そう、彼は気の利く男なのだ、特にこの少女に対しては、嗅覚が倍になる。
なんか用事あったか?と覗き込みながら訊ねれば、少女が言い淀む。
「だーめーだ。遠慮も我慢もなしだ。ほら、ちゃんと言え、ちゃんと聞くから」 軽く撫でられた少女の頬が紅く染まる。
「えっとね、全然大したことじゃないの。占いでね、今週は恋愛運が好調らしくて、魅力パラが上がりそうだからメイクの研究したくって。」 とんだメタ発言である。
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