やきもちやきすぎじゃない?「行くのやめといたほうがええんちゃう…」と私の右肩に顎をのせてガッチリホールドしてきているのは付き合ってる水上敏志
なぜこうなったのかというと10分くらい前に遡る
どこから手に入れたか分からない温泉旅館の宿泊券を2枚とキャリーケースを持ちながら突然連れてこられたのだがどうやら付き合って80日だかららしい。
水上のが意外と記念日を気にするのだ私は言われるまで知らなかったし数えたこともなかったので「俺だけ恥ずかしくない?」から「別に俺のことその程度でもええけど」とぐちぐち言われたあと「あおいが覚えてなくても俺が覚えとるしええわ」と拗ねられたのでめちゃくちゃ電車の中で構い倒した。
嫌がられたけど満更でもなさそうな顔しながら「まあこんな記念日しっかりしたのあおいだけやけどな」と少し照れて言っていたのでやはりこいつは可愛い
何事もなく温泉に入りご飯を食べて部屋でくつろいでいたのだが喉が渇いてしまったので外の自動販売機に買いに行こうとして捕まってしまった。
『さとしくん?どうしたの』と聞いても「んー…いやな、」と何か渋ってるようで何も答えてくれない飲み物が何かほしいのかと聞いても違うらしい幸いそんなに体重をかけられていなかったのでひきずって進み出すと本格的に止められ「ほんまか自分…」と言われた
人がゴリラみたいな顔をしないでほしい。
そしてらちがあかないのでやめてほしいとか思っていると不満が顔にダダ漏れだったのか「いか、ないで…」滅多に言わないようなことを言われてつい『え?』と不満とかを忘れて聞き返してしまった
「せやから、行かへんで何度言わせんねん」自分で言い出したくせになんか照れてる姿に少し意地悪をしたくなってしまって『なんで?』と聞き返してみた。
理由は大方危ないからか薄着だからとかだろうな…
「かわいいから、ナンパどうすんねん…浴衣薄着やし」
予想外の返答が返ってきた、そんな素振りなんて見せなかったし普段可愛い服着てもうんうんかわええなあ〜くらいの本気か冗談かわからないトーンで言うくせにこいつは…こいつ、本気で言ってやがる。
予想外の返答に返す言葉に困り黙ってしまったがよく考えたら『え?ならさとしも来たら良くない?』
「…」
『…思いつかなかったの?』
「うるさい…」
『え?そんなに余裕なかったの?さとしくん』
「あ〜!あー!うるさいわ!」
『天下の頭脳派さとしくん思いつかなかったんですか!?!?珍しく余裕もなく?えー!?』
「あおいのことで余裕あるわけ無いやろ…」
『そっかぁw』
いつも余裕たっぷりでふてぶてしい顔をしている彼の調子を狂わすのは私だけらしい。
彼の照れた顔とかを私しか見ていないと思うと優越感と彼への愛おしさでどうしてもにやけてしまう
「何にやにやしてんねん」と怒られたが君が本当に愛おしくてたまらないのだ許してほしい。
たまには温泉旅行も悪くないからまた来たいな