みんなに伝えたいことがあるんだ
あの日、リサイタルの、マリが死んだ日
マリは、、マリは
マリが死んだのは、僕が階段からマリを突き飛ばしたからなんだ。
練習のことでマリとケンカになって、一瞬の気の誤りでバイオリンを階段から投げたんだ。そしたらマリが怒って、取っ組み合いになって、、気がついたら、マリが宙に浮いていて、、階段から落ちたんだ。
それをバジルも見てた。
そして,自殺偽装を提案したんだ。
僕はこれを夢だと思った。けど夢じゃなくて現実だった。
これが真実。マリは自殺してない。
ただこれだけのことを。
言ってしまえば10分もかからないことを。
4年もいえなくて。
ずっと苦しませてしまって本当にごめんなさい。
悪いのは全て僕だ。
何を言ってくれてもいい。
2度と会わなくたっていい。
許してもらえるなんて思ってない。
許さなくていいよ
だから
ごめんなさい
は、、サニー、、それって、、
なんでなんで、、そんな大事なこと、、言ってくれなかったんだよ、、、
自分が何言ってんのか分かってんの?!?、!!
マリちゃんは、、アンタのせいで!!!
やめろ、、オーブリー、、
離せよ!! やめろって!!
う、、うわあああぁっっなんで??!、、??
なんでそんな大事なこと早く言ってくれなかったの?、?!!、!友達だと思ってたのに、!!
何よりも大切な仲間だと思ってたのに!!!!
仲直りできてあんなに嬉しかったのに!!
全部嘘だったっていうの?!?!
やめろって!!
ケル!!ケルだってそう思わないの?!?!
サニーはずっと4年も引きこもってたんだよ!!
自分の世界だけで生きて!!
都合のいい夢を見て!!!
っそれは!!
オーブリー、ケル、、落ち着いて、、あの、、えっと
うん、、少し時間をくれないか、、ちょっと、、待って
状況が飲み込めない、、
こうなることなんて分かりきっていたことだ。
今更後悔なんてしていない。甘ったるい考えは捨てなければならない。僕は裁きを受けなくてはならないのだ
マリのためにも
オモリのためにも。
ヘッドスペースのみんなのためにも。
でも、、やっぱり、、
辛いことはあるのだ。
こんなことを急に言われたってどうしたらいいかわかんないよね、、ごめんなさい。
僕は、、
サニーから真実を告げられた時、真っ先に浮かんできたのは殺意だった。
マリちゃんを殺したのはサニーだった??
ずっとそれを隠していた??
しかも自殺偽装をした??
ありえない。信じたくない。そんなことが有り得てしまうわけが無い。全部マリちゃんの自殺にショックを受けておかしくなっちまったサニーの気色悪い妄想。
悪い夢だと思った。ありえない。いつ目が覚めるんだろうと思った。どうして私ばっかりこんなことに。
でもこれは夢じゃない。現実だ。マリちゃんはたしかに死んで、残ったのは思い出だけ。あの日私たちがプレゼントしたバイオリン。バラバラに壊れて、長い黒い髪が絡まっている。血の着いた、楽譜。
殴りたかった。ボコボコにして殺してやりたかった。でもできなかった。
どうしてもできなかった。サニーを殴るなんてこと
私はこれからどうしていけばいい??
サニーを許せるとは到底思えなかったし、だからといってこのまま何も言わずに永遠にこのままでいるのは絶対にいけないことだって...わかってるのに...わかって...るけど
頭の中がぐちゃぐちゃしている。
一昨日。私はバジルを池に突き落とした。バジルが落ちた瞬間頭が真っ白になってなにも動けなくなった これは事故なのだと何度も頭で反芻した
やったことは彼と同じくらいに重いだろう。
だからなんだと言う自分もいた。私の、4年は。なんだったのか。
でも違う。私は、、私はどうしたらいいんだろう?
この4年を無かったことにすることなんて私にはできないし、するつもりもない。
一歩違えばバジルの立場になっていたのは私だったかもしれないのだ。そうしたら私はどうしただろうか。
サニーは4年間、何を考えていたのだろうか。
あの夜,何が起こっていたのだろうか
なぜ2人は怪我をしていたのだろうか
わからない
わからないよ
もう何も、、、
マリちゃん...どうして死んでしまったの?