恋人みたいに 休日、晶とフィガロは買い物を終えて商業施設から出ると、もう日が沈みかけている時間だった。目の前の道に並んでいる街路樹にはホワイトクリスマスをイメージしたような白銀の電飾が輝き、街を一層華やかにしていた。
「今日は何かのイベントなの?木にたくさん光が灯っていてきれいだね」
フィガロは晶と何回か通ったことのある並木道がいつもと違っていたからか、晶に尋ねた。
「あぁ、イルミネーションの事ですか?今日だけというわけではないんですけど、寒くなってくるとクリスマスが近い事もあって、冬の間は街や商業施設でイルミネーションのイベントをやっているところが多いんです」
「へぇ、そうなんだ」
フィガロは白い息を吐きながら、煌煌と光る木々を眺めた。
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