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    @gar_hetsp

    しょうもない小説ばっかり載せます。
    Twitterの方はしょうもない絵と妄言を呟いています。
    どうぞよしなに。

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    いいタイトルが思いつきませんでした。ただ載せてみる。
    付き合うとかじゃないけどcp要素出てるので腐かな?というかぽんだが暴走している。

    プロすぎるぽんと純粋すぎて沼に引き摺り込まれる隊長のギャグを書きたかった残骸。

    交換条件ある日の正午。小柄なため一見少年とも思えるがれっきとした爺である彼、本田菊は正座をさせられ、遊びに来ていたドイツ人の青年、ルートヴィッヒに鋭く睨まれていた。
    「で、最後に言い残すことはあるか」
    まるで死刑執行するかのようなセリフだが、正座こそしているものの菊はそれをものともせず自らが置かれている状態に相反するきりりとした表情でルートヴィッヒを見上げた。
    「強いていうならば、この妄言を全て現実にしたかったです」
    ルートヴィッヒはこんな時までそれなのか…と、ここまで出かけたが、もはや呆れすぎてものも言えない。
    「はぁ、もういい。お前がそういう性格であるのはかねてから重々承知だ」
    「ということは承認していただけるのですかッッ?!?!」
    途端に菊は正座をやめ、身を立ててきた。恐るべき反応速度である。いつもの彼からは想像できない食い気味の態度に少々気圧されつつ、ルートヴィッヒは顔を顰める。
    「…やるかやらないか、ではない。そのような妄想をするのは構わない。フェリシアーノが出るのも、まぁ…わからんでもない。だが、俺は違うだろう!どこにその“萌え”とやらを感じているんだ!」
    ことの発端はこうだ。

    菊に掃除を手伝って欲しいと言われ、久々に菊の家に行くことにした彼であったが、その掃除中に本を落としてしまった。それはいわゆる百均で売っていそうな日記帳で、本来なら中を覗こうなどというプライバシーを鑑みない行為はしないはずだったのだが、落ちた衝撃でたまたま本が開かれてしまっていた。そのため、拾い上げようとすれば嫌でも内容が目につく。しかも、そこに自分の名が載っていたので尚更気になってしまった。でも、きっと菊のことだ。兄さんみたいに今日あったことでも書いているのだろう。それなら俺が登場していてもおかしくはない。そんな軽い気持ちで内容を見たのがいけなかった。

    x月x日
    今日はお花夫婦が一緒に買い物に行かれていました。非常に仲がよろしく、やはりあのcpは最推しです。攻めは一般的に考えればルートさんでしょうが、深く関わってきた身としてはフェリシアーノくん攻めも十分あり得ます。

    x月x日
    フェリシアーノくんが道端の猫に話しかけていらっしゃいました。しかも、触られている時にご自分で「もふもふもふもふ」とか仰るのですからたまらなく可愛い空間がそこにありました。それから今日は特にくるんの日でした。ロヴィーノくんと非常に仲良くしておられました。相変わらずロヴィーノくんは悪態をついていましたがそこも可愛いです。

    x月x日
    今日はふと、ハロウィンやエイプリルフールについて思い返していました。思えば、ルートさんってけもみみがお似合いです。大きな尻尾がとっても可愛いですし、あのおててじゃ何もできないから必然的に他人に頼りっぱなしになるってところが良いです。あとメイド服着て赤面してらっしゃったのを思い出しました。またやっていただきたいです。

    「は?」
    あまりにも想定と違いすぎる内容に、本を落としそうになった。いや、一度落としてはいるのだがさすがに人のものである以上丁重に扱わなければいけないだろう。…しかしコレは丁重に扱うほどの内容か?
    そう、混乱するルートヴィッヒが悲しくもみたものは、日記帳ではなくただのネタ帳だったのである。
    あの菊が俺とフェリシアーノ含め身近なものをそういう目で見ているのか。
    それはずっとそういうジャンルに触れてこなかったルートヴィッヒにとってはあまりに衝撃的なもので、立ちくらみがする程だった。

    大きな音、それから声。ずっと戻ってこないので、菊は心配して彼がいるところへやってきた。そして、ルートヴィッヒが顔を赤面し、少し震える手で自らのネタ帳(極秘)を読んでいるところを目撃したのだ。
    「ぅわああああああルートさん何やってらっしゃるのですか!!!!」
    「ッ菊?!」
    彼が普段出さない、というか並の人間が普通は出さないような声量で声をかけられたものだから、思わず肩が跳ねる。
    「あっ肩跳ねて可愛い…じゃなくって!なぜそれを…」
    ちょっとテンションが昂りすぎて本音が出てしまったがそれどころではない。全くの他人とか、同じ趣味を持つものとこれを共有するのはいいのだが、相手はお兄ちゃんガードのおかげで絶対にそういう界隈を知らない、清楚でお年頃、しかもそのネタ帳に頻繁に出てくる登場人物である。
    「すまない。見るつもりはなかったのだが」
    流石は軍人。怒声程度で狼狽えはしない。それどころか今や以前より眉根を寄せて菊を見た。いつもフェリシアーノにやる、あの目線だ。とはいえ、先ほどまで衝撃的な内容に触れていたせいか、若干その怖さは和らいでいた。
    「これについて、ぜひ説明をお聞かせ願いたいのだが?」

    そのお願いに菊は潔く答え、何なら彼をこちら側へ!!と力強く説明したのだが、結果から言うとそれは逆効果なだけだった。ルートヴィッヒとしては、その趣味に理解がないわけではない。ただ、全く隠す気や申し訳なさそうにする様子もなく意気揚々と語るそれが気に食わなかった。…というより、何だか怖かったのである。

    そして、冒頭へ戻る。
    「いえいえなに仰っているのですか。貴方こそアーサーさん並みのギャップ萌え!!ムキムキドイツ軍人であり、真面目でしっかり者!会議のまとめ役!けれどすぐ顔が赤くなるしギルベルト君のこと本当は兄さんって呼んでるのに頑張って兄貴って呼んでるところとか、よく考えれば最年少末っ子なところとか、あと秘密の趣味g」
    途中までは意外にも褒め言葉っぽかったので赤かった顔をさらに赤くし、もはや恥ずかしさで涙ぐんで聞いていたのだが、後半はだんだんと変になってきてちょっと気にしていることだったし、流石に秘密の趣味と言われては聞き捨てならなかった(※ただし暴力を加えた訳ではない)。
    「な、なぜ菊がそれを知っている!!!」
    「こう言っては何ですが、今や秘密どころじゃありませんよ。ほとんどみなさん知っています」
    しれっとした笑顔で菊は死刑宣告をした。もはやどっちが被害者なのか定かではない。
    「…ソースは誰だ」
    「あはは、最早個人の生死に関わる話ですからね」
    本当にそうだった。きっとここでソースが誰だとか適当なことを言えばその人物を消せるのだろうな、と思う。アーサーだったら間違いなくフランシスだと言うだろう。
    「はは、殺しはしない」
    それが本当に情けで殺さないだけなのか、はたまたギリギリ生かして痛めつけるという意味なのかは、彼の顔を見ればすぐ分かることだった。先ほどまでの菊のような人間が大好きそうな表情とは打って変わって、乾いた笑いと共に多分一般人が見たら良すぎる顔面と圧で目が潰れるのではないか、というような超絶Sな顔になっていたからである。
    「でもですよ?それはそれとして、実際フェリシアーノくんが猫相手に喋ってたりしたことは可愛いと思いませんか?まさに可愛い×可愛い!」
    「む、それは…」
    可愛くないはずがない。あのフェリシアーノが猫と会話しているところなんて、そんなの絶対癒し空間に決まっている。
    「私ならいくらでもそういう情報は持っていますし、他の人のもあります。ほら、ギルベルトくんのとか聞きたくないですか?」
    「に、兄さんの…」
    昔、かっこよかったのは時々見た。しかしその頃、ルートヴィッヒはまだ子供だった。だから、大人相手にしか見せない顔があったかもしれない。いや、兄さんのことなら絶対にある。菊なら、他にもそういう情報は持っていそうだ。
    ごくり、と唾を飲む。菊は喉が動いたのをみて、あと一押しだと確信する。
    「私がルートさんに萌えて書いていたことと、これからもそれを許していただけるのであれば、今持っているそれらの情報は渡しましょう。望むもの全て。それから、今後そのような情報が入り次第お伝えすることもお約束します。どうですか?」
    正直、ルートヴィッヒにとって、そこは未知の世界だった。しかし、彼の好奇心がそこへ行くことをせき立てた。フェリシアーノの、可愛いエピソード。兄さんの、かっこいいエピソード。他にもいっぱいあるのだろう。
    「………わかった」
    「ッしゃ!!」
    あまりにあからさまな喜びかたをしてしまったかもしれないが、今はそんなことより、これで晴れてルートヴィッヒで萌えるのが公認になったのだ。ああ、この条件を使えばいくらでもなんでもできるだろう。しばらくたって彼がこの交換に病みつきになったら、供給と途絶えさせると言ってメイド服とかケモミモとか着けさせよう。次々とやりたいことが出てくる。フェリシアーノとかにも有効かもしれない。それにしてもこの涙ぐんでいる顔も先ほどのSな顔も可愛いですね。隠しカメラつけていてよかったです。
    菊はそんなことを笑みの裏で思いながら、2人で掃除を再開した。
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