Sweet Fragile向き合って、見つめ合いながら目を閉じたのは何回か。
手を繋ぎ、指と指を絡ませたのは何回か。
ゲソのなめらかな感触を手のひらで撫ぜたのは何回か。
──もう、何回触れ合ったのか。
窓から見える星の数よりは少ないはずだ。
ユネと「お互いのことをもっと知っていこう」と話してから、俺達は少しずつ、どんな些細なことでもいいから、言葉を交わすことを眠る前の日課にした。必ず、お互いの身体に触れながら。伝わる温もりによって目の前にいる相手をより意識できるからだ。
こんなに近くにいるのに、今まではなんだか宙に向かって言葉を吐いていたように思う。
でも、こうして手のひらを合わせて指を絡ませていると確かにそこにユネの温もりがあって、俺がいた。
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