王キボを好きになれてよかった。でなければ、こうして漫画を描くことなんてきっと、怠惰な私の人生においてこの先あり得ない話だったから。
王キボは運命だと思う。そのためにシリアスで構成された二人が、ギャグカプになり得た奇跡のカプだと思う。それは魂の信頼であって、またきっと、来世でも巡り合ってしまうという話を書きたかった。かっこつけたくなくて題はそのまま「王キボは『輪廻』」にした。だって、そう思うから。
輪廻の車輪から解脱出来ない王馬の残留思念が、キーボの見つけた証拠となって、彼の死の真相を解き明かして、彼に生存フラッグを確かに授けたのだけど、それを彼はバキバキに折って、自ら死に行った事。それは内なる声もとい外の世界の意思からの解放と言えるのかもしれない。
王馬が全力で心や体を使ってキーボにちょっかい出して、それに毎度、彼が100パーセントで回答するから、王馬もまた120パーセントで返してくる。そんな、王キボ無限ループこそ、彼らの在り方で、輪廻たる所以だと思う。そんな彼らが愛おしくて、私はどうにかなってしまうかと思う。私はうつ病で、熱しやすく冷めやすい質でもあると自認しているから、いつまでこの感情を抱いていられるかわからないし、不安になるからこそ、こうして今、熱いうちに感情の出力が出来たことを喜ばしく思う。
六年以上前の発売日から今までの月日を経て大人になってしまったし、病名も増えた。その中でも、摂食障害になった事は一番辛くて死にたかった。食べる事や食べない事、吐く事ばかり考えていて何も手につかなかったし、誇張でなく毎夜泣いていた。どうやって死のうかと思っていた。もちろん、今も死にたいとはそれなりに思うけれど、ダンガンロンパや王キボに再熱出来て、その事で日々が明るくなった事。食べ物や死にたさで塗られていた頭が少し軽くなったことを、とても嬉しく思っているし、こうして私を救ってくれたダンガンロンパや王キボに感謝している。