ホイップミルクマイハニー「うわ、もうこんな時間じゃん」
並々ならぬ集中力で作業をしていた僕は、長時間放置プレイをしてしまった自分のスマートフォンを手に取る。ディスプレイに表示された時刻は二十三時を過ぎていた。
一緒に暮らすアズールからは特に連絡は来ていない。もしかしてあの子は今夜、遅くなるのだろうか。デスクワークで固まった身体を伸ばしつつ、僕は自室からキッチンへ向かう。眠気覚ましのためとはいえ、コーヒーを飲み過ぎたせいで若干胃が痛い。加齢ですかな、と独りごちて部屋のドアを閉めた。
キッチンやリビングにアズールはいない。僕は流しにここ数日間で部屋に溜め込んでいたマグカップを起きつつ、スマートフォンでメッセージアプリを起動する。仕事の納期の関係で二週間ほど、アズールとはすれ違いの生活をしていた。
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