夏の思い出「もう、燐音君も少しは手伝ってほしいっすー」
「えー、だってそれってニキがついてないのが原因っしょ」
夏ばれの空の下、Crazy:Bの合宿が開催された。もともと、まとまる気がないメンバー構成なうえに、最近多忙なこはくをねぎらって親睦を深めてこいという上司命令だった。
くじ引きであたりをひいてしまった二人が買い出しに行くと決めたのは燐音。確率2分の1だから大丈夫だろうとふんで、いっぱい買い物をお願いしようとしてたのがニキ。
2人仲良く当たってしまったというわけだ。
「ほらほら、もうすぐ次だぞ」
「もうすぐって、まだかなり遠いじゃないっすか、もうお腹すいたっすー。」
小学生のように、じゃんけんで負けた者が次の電柱まで荷物を持つということにしたはいいものの。
「燐音君、全然負けないじゃないっすかー」
というわけで、商店を出てからずっと荷物持ちなのである。
「「じゃーんけん、 ぽん」」
「あー、やっと勝てたっす。やったー」
「しょうがねぇなー、んじゃ交代してやるよ。」
といっても、目的地はもうすぐ。
「競争なー」
「ちょっと待ってー」
暑さに負けない元気なアイドルたちを、涼しい波音が見送っていた。