名残の花「チレッタ、これ、なんだかわかりますか?」
チレッタと出会って暫くしたころ、ミスラは死の湖で見つけた不可思議な骨のところへ彼女を連れて行った。
ずいぶん長く生きているというその魔女は、生きた年月の分、知識が豊富だった。彼女は頼まなくてもいつも色々な事をぺらぺらと喋っていて、ミスラには半分も理解できなかったけれど、疑問に思うことを訊ねればたいていは答えてくれる。世の中の物事も、生きる術も、魔法の使い方も。
だが、ミスラが拾い集めた骨たちを暫く眺めていたチレッタは首を横に振った。
「さあ……。見たことない生き物の骨だね。私が生まれるよりもずっと昔に生きていた古代生物かもしれないな」
「これ、魔法で生き返らせたりできないんですか?」
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