cute! ロナルド君は可愛いものが好きだ。
猫耳が生えただけの生き物を可愛いと言い、ハロウィンのかぼちゃの見た目が可愛いと愛情を注ぎまくった結果自我を持たせ、未確認生物を少年のような顔で捕獲してきては可愛いから飼うと持ち帰り、私の使い魔たるアルマジロのジョンを見ては可愛いと餌付けしたがる。
本人はハードボイルドを気取っているが、そんなことは全然ない。表情豊かで、ちょっとおバカで、脳筋で。そんな彼は、可愛い生き物を前にすると垂れた目を更に下げ、柔らかい笑みを浮かべるのだ。
今だって私の城に来ているというのに、かぼちゃに寄り添われ、ツチノコを肩に乗せ、膝の上に転がしたジョンのお腹を緩んだ表情で撫でている。出したお茶はとうに冷めているし、お茶菓子にも手をつけていない。家主たる私のことなんて、お茶よりも長いことずっと放置。
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